武豊へ年内にも「国民栄誉賞」の可能性!?「W授与」が期待される羽生善治「永世7冠」に匹敵する「歴史的快挙」とは
競馬と将棋ではその仕組みから大きく異なるが、今回7期目の竜王位を奪還した羽生棋聖はこれで通算99期目のタイトルを獲得。史上初の”大台”を目前としている。そして、武豊騎手もまた2013年に競馬界の最高タイトルとなるG1で通算100勝を達成しているのだ。
他にも全国リーディング18回、年間最多勝記録、通算2万回騎乗など数々の”不滅級”大記録を築き上げてきた武豊騎手。トップ騎手という現役のアスリートでありながら、エンターテイナーとしても超一流の存在であり、オグリキャップやディープインパクトなど時代を彩った名馬を通じて、世間における「競馬のイメージ」を大きく向上させた貢献度は計り知れない。
もし武豊の存在がなければ、日本競馬がここまで大きく発展していなかったことは間違いない。それは23人と1団体(サッカー女子日本代表)からなる歴代の国民栄誉賞受賞者に勝るとも劣らない「記録」と「記憶」といえるだろう。過去に授与されたアスリートの実績や貢献性と比較しても、武豊騎手は間違いなく検討されるべき領域に達しているといえる。
しかし、国民栄誉賞の目的は『広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えること』である。
日本で「競馬」という競技の知名度は高く、世界的に見たレベルやファンの規模を鑑みても日本有数のスポーツであることに間違いない。従って、少なくとも武豊騎手は国民栄誉賞の基準の1つ『広く国民に敬愛される』という点は、十分にクリアしているはずだ。
ただし、競馬はスポーツであると同時にギャンブルであり、果たしてそれが国民栄誉賞の基準となる『社会に明るい希望を与えているか』は、人によって意見が分かれるところだろう。
無論、武豊騎手が所属するJRA(日本中央競馬会)は農林水産省が監督する特殊法人であり、他のギャンブルとは一線を画しているという見方もできる。実際にJRAの売上の一部は国庫に補填されており、国家運営の一助になっていることも間違いない。
しかし、どのような理由があろうとも「ギャンブルはギャンブル」と捉える人は確実に存在し、そういった人々にとって、その一助を担う武豊騎手が国民栄誉賞を授与されることは「あり得ない」と考えても不思議ではないのだ。