有馬記念(G1)出走馬鞍上の「争奪戦」が激しくなる「理由」……あまりにも夢のない「営業」も?
出走馬がファン投票によって決まるグランプリ、有馬記念(G1)。年の瀬の競馬の祭典ということもあり、ここで1年の負けを取り戻そうと考えているファンも多いのだろうか。武豊騎手もインタビューで「お客さんの目の色が違う。血走っている人もいますよね」として、さらに「ダービーの日の東京のスタンドはお祭りのような空気だけど、有馬記念の中山は違う。どこか悲壮感がある。日本的でいい感じですよ」とこのレースだけが持つ「独特のイメージ」について語っている。
いつも以上に力を入れているファンも多い有馬記念だが、立場は違えどもこのレースにかける思いの強さは騎手も同様、いや当然だがそれ以上に並々ならぬモノがあるという。
「競馬ファン以外からも高い認知度を誇っている有馬記念は、やはり騎手としてもあこがれの舞台。ここで騎乗することを”夢”のひとつにしている方も少なくないです。そのため、たとえ『勝ち目が薄い』と考えられて敬遠されがちな競走馬の乗鞍ですら、熾烈な争奪戦が繰り広げられるそう。今年は4年近くも勝ち星から遠ざかっている馬が出走しますが、その馬にすら多くの騎手が騎乗を希望したみたいですね」(記者)
今年、国際競馬統括機関連盟が公表した「世界のトップ100 GIレース」で、有馬記念は世界で13位、国内では堂々の1位に選出されている。名実ともに日本一のレースであることは間違いなく、騎手ならばその大舞台で腕を振るいたいという気持ちは分からないでもない。だが、騎手たちの中には夢舞台への思いとともに、極めて”現実的な考え”を持つ者も多いようだ。