安藤勝己氏がキタサンブラックの後続「金縛り」の黒い指摘……有馬記念「鮮やか過ぎる勝利」の”要因”はそこかしこに
24日の有馬記念(G1)。勝利したのはこれがラストランとなるキタサンブラックだった。
抜群のスタートから先頭に立ち、主導権を握ってマイペースに持ち込み、最後の直線ではセーフティーリードを保ち後続を完封。これまで幾度となく見せてきた、鮮やかな勝利だった。
そう、あまりにも鮮やかだった。
このレース、メンバーの中でキタサンブラック以外で唯一逃げる可能性があったのがカレンミロティックだったが、外枠の影響もあってか3~4番手に収まるのが精一杯。無理やり逃げることもできただろうが、川田将雅騎手は控える選択をしている。2番手でキタサンブラックを追走したシャケトラも、福永祐一騎手は無理に競りかけようとはしなかった。それ以外でも道中の隊列はほぼ変わらず。最後の直線で他馬が追い出した時には、余裕逃げで脚を大きく残したキタサンブラックは差を広げていたわけだ。
昨年の有馬記念でキタサンブラックは惜しい2着に敗れているが、サトノノブレスからプレッシャーを受け、最後にはサトノダイヤモンドの強襲に屈した形。武豊騎手もこの2頭の「組織力」を認める発言をしており、100%プランどおりにならなかったことがうかがえる。このチームプレーには一部では疑問の声もあった。無論、欧州などではよくあることなのだが。
今回はそうした動きは一切なく、キタサンブラックにとってまさに絶好のレースだったということになる。あの結果、余裕ある着差も能力を考えれば当然かもしれない。競馬界の枠を飛び越えたスターホースだっただけに「有終の美」を飾ることを誰もが望んでいたことだろう。
ただ、この勝利に対し「チクリ」と発言をしたのが、元騎手の安藤勝己騎手である。
安藤騎手はレース後、自身のTwitterで「キタサンブラック。いつもと違う雰囲気を感じとってたのか、返し馬はフワフワしてたし、スタート後も促して最初のコーナーは逆手前」と、普段のキタサンブラックと比較して違和感を感じていたことを告白。しかし「向正面で修正して豊ちゃんのペースに持ち込んでからは独壇場」とし「枠の並びと相まって、後続は金縛りやったもんな。ただ、全てを含めて運も実力の内で、これぞ大団円やね」としている。