JRA藤田菜七子「飛躍」の2017年。「未成年飲酒騒動」に揉まれながらも、女性騎手最多勝を更新。今年「勝ち星倍増」に至った陰に”師”の支え
28日、中山競馬場でヤングジョッキーズシリーズのファイナルラウンドが行われ、JRAの関東代表として出場した藤田菜七子騎手は13位に終わった。
「結果は残念ですが、同世代との競馬は刺激になります。しっかり技術を上げて、来年も予選ラウンドから頑張っていきたいです」今年新設されたヤングジョッキーズシリーズでは最後こそ奮わなかったが、予選では一番乗りで決勝進出を決めるなど確かな足跡を残した。
16年ぶり、史上7人目のJRA女性騎手として異例の注目を浴びたデビューから、2年目のシーズンを終えた藤田菜七子騎手。2017年は静かに、しかし確実な成長を遂げた1年だった。
剛力彩芽似といわれる愛らしいルックスから、競馬学校に入学した15歳の頃から注目を集めていた藤田菜七子騎手。昨年のデビュー当初は、競馬界に突如降臨した”アイドル”を一目見ようとファンやメディアが殺到。取材規制が敷かれるなど「藤田菜七子フィーバー」は明らかに異常な騒ぎだった。
あれから1年が経過した今年。藤田菜七子騎手の周囲は”あの頃”と比べれば、ずいぶんと静かになった。
デビュー初年度はわずか6勝。「女性騎手としてよくやっている」という声がある一方、同期の新人王・木幡巧也騎手が45勝という現実に「やはり厳しい」と、大活躍を夢見たファンは離れていったのかもしれない。6勝は同期の中で最低の成績。大方の予想通り、史上7人目の女性騎手もやはり極めて厳しいスタートを強いられることとなった。
そんな藤田菜七子騎手にとって最も苦しかったのは、今年の初春だったのかもしれない。