武豊が「選ぶ」は大器グレイルか、名牝の仔ジャンダルムか……天才騎手を最後まで悩ませた12年前の「数奇な運命」と「皮肉な結果」


「ホープフルSで2着したジャンダルムですね。今年の武豊騎手は本馬とジャンダルムという強力な2枚看板を有しています。どちらかがマイル路線を歩むようならブッキングもなさそうですが、ジャンダルムの次走は弥生賞(G2)と、あちらもクラシックに進む気満々といった様子……。

本番の皐月賞まで被る可能性は低いですが、武豊騎手としてもいずれはどちらかを選ぶことになりそうです」(同)

 2頭と対戦経験のあるタイムフライヤーを物差しにすれば、「負けた」ジャンダルムよりも「勝った」グレイルに分があることは確かだ。しかし、ジャンダルム陣営は「タイムフライヤーに逆転できる」と強気の姿勢を見せており、武豊騎手も「良い馬」と賛辞を惜しまない。

「ジャンダルムの母ビリーヴは、武豊騎手の手綱で2002年のスプリンターズS(G1)を勝った名牝。オーナーはその時と同じ前田幸治さんですし、武豊騎手としても思い入れのある1頭だと思います。

管理する池江泰寿調教師も、武豊騎手とは同級生で幼馴染という間柄。一方のグレイル陣営との関係が悪いというわけではないですが、仮に2頭がまったくのフラットな状況なら、武豊騎手はジャンダルムを選ぶ可能性が高いでしょうね」(同)

 思い出されるのは12年前、2006年春の3歳牡馬クラシックか。当時、武豊騎手には共同通信杯と弥生賞を連勝したアドマイヤムーンと、デビューから無敗の4連勝を飾ったフサイチジャンクという2頭のお手馬がいた。

 1冠目の皐月賞を前に天才がどちらを選択するのか注目が集まったが、結果的にはフサイチジャンク陣営が岩田康誠騎手への乗り替わりを発表した。武豊騎手は「僕の一存では決められない所まで来ていましたから、オーナー間、厩舎間の折り合いに任せた形です」とコメント。当時はアドマイヤ軍団の総帥・近藤利一氏と蜜月の関係にあったことも影響したといわれている。

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