皐月賞(G1)「当確」オウケンムーンの”妄想”と現実。常識を覆す「第2のキタサンブラック」へ……地味馬だからこそ輝く「スター」の資質
「2週前の追い切りでも、僚馬のアーモンドアイに馬なりのままあっさりと突き放されているように、調教ではまだまだ幼い面が残っています。レースでも頭の高さが目立ちますし、現段階で重賞を勝っているのが不思議なくらいです。
陣営からも『当初はなぜ走るのか首をひねったくらい』『ちょっと頭が高い走法でデタラメ感がある』という声が聞かれている通り、まだまだ完成途上。
ただ逆に言えば、これで今回の皐月賞を勝つようなことがあれば、ダノンプレミアムに替わって世代を牽引する存在になるかもしれませんよ。未完成な分、伸びしろは大きいでしょうし、ここだけでなく先々も本当に楽しみな存在ですね」(同)
北村宏司騎手が主戦を務めてクラシックに挑む”地味な血統馬”といえば、どうしても3年前のキタサンブラックが思い起こされる。
武豊騎手と共に競馬界を席巻し、昨年引退した歴史的名馬もデビュー当初は北村宏騎手が主戦を務め、父がブラックタイドという地味な存在だった。しかし、デビュー3連勝でスプリングS(G2)を勝つと、秋には血統の常識を覆して菊花賞(G1)を制覇。古馬になって武豊騎手とコンビを組むようになると、一気に競馬界のスターダムに上り詰めた。
果たして、オウケンムーンは「第2のキタサンブラック」になれるのだろうか。競馬には様々なセオリーがあり、そういった”常識”を覆す存在にファンは心を奪われる。オウケンムーンは確かに地味な馬だが、地味だからこそ「スター」になれる大きな資質を秘めているとも言えるのかもしれない。