JRAも「史上2頭目」を後押し? 2歳女王ラッキーライラックに「ヴェルメイユ賞」からの凱旋門賞挑戦プラン浮上の可能性
17日、JRA(日本中央競馬会)が今年からオークス(G1)1、2、3着馬にフランスのパリロンシャン競馬場で行われるヴェルメイユ賞(G1)の優先出走権が付与されることになったと発表した。
今年になって日仏の競馬界で結ばれた「デスティナシオンフランス」と呼ばれる提携では、昨年ヴィクトリアマイル(G1)並びに安田記念(G1)の1、2、3着馬には、フランスのジャックルマロワ賞(G1)の優先出走権が与えられることが決定。今回のオークスとヴェルメイユ賞の提携も、その延長線上というわけだ。
日本におけるヴェルメイユ賞は、1995年にオークスを勝ったダンスパートナーと武豊騎手が挑んだことで有名な牝馬限定戦だ。前哨戦のノネット賞(G2)で2着し、レース本番では1番人気に支持されたダンスパートナーだったが、残念ながら6着に敗れている。ちなみにその時に勝ったのが、ロゴタイプの父ローエングリンの母にあたるカーリングだった。
またヴェルメイユ賞は9月半ばに行われるとあって、日本競馬の悲願でもある凱旋門賞(G1)の前哨戦としても有名だ。
実際に2013年には、ここを勝った3歳牝馬のトレヴが、凱旋門賞で日本のオルフェーヴルを下して世界の頂点に立っている。現在は古馬牝馬にも開放されており、フランス競馬にとっては日本のエリザベス女王杯(G1)のような立ち位置となっている。
今回の提携では優先出走権だけでなく、レースへの登録料を免除。さらに20,000ユーロ(約266万円)の遠征補助費まで出る大盤振る舞いだ。馬券売上のプラスアルファとして海外馬券を売りたいJRAと、そのマージンが欲しいフランス側の思惑が一致した結果の賜物といえるが、果たして機能する時が来るのかと問われれば疑問だ。
先述した通り、現在のヴェルメイユ賞は凱旋門賞のステップレースという位置付けが強い。