ヴィクトリアマイル(G1)ソウルスターリング「復活」へC.ルメール騎手の「気持ち」は……世界的良血馬の女王返り咲き「条件」とは
昨年の最優秀3歳牝馬が、キャリアの崖っぷちに立たされている。13日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1)に出走するソウルスターリング(牝4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)は、まさに正念場を迎えていると述べても過言ではないだろう。
昨年5月のオークス(G1)で、後のエリザベス女王杯馬モズカッチャン以下を寄せ付けずに阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)以来G1・2勝目を上げた際、誰がこのような未来を予想しただろうか。
父は「21世紀最強馬」とさえ称されるフランケル、母が仏オークス馬のスタセリタ。世界的に見ても指折りの超良血馬は、デビュー当初から「16冠ベビー」として注目され、その期待に違わぬ結果を残し続けていた。母と合わせて日仏のオークスを勝ったことで、将来的には凱旋門賞(G1)で世界の頂点に挑戦するという声もあったほどだ。
実際に、秋には管理する藤沢和雄調教師が秋華賞(G1)ではなく、あえて古馬王道路線に挑戦することを明言。迎えた毎日王冠(G2)では前年のダービー馬マカヒキや、海外G1馬リアルスティールを差し置いて単勝2.0倍の1番人気に支持されていた。
誰もが本馬を「今後の日本競馬界を背負って立つ存在」と期待していた。
しかし、1枠1番という絶好枠から逃げを選択し主導権を確保したものの、最後の直線でまったく伸びずに8着惨敗。ショッキングなレースぶりに、主戦のC.ルメール騎手は逃げる形になったことへ敗因を求めたが、そこから本馬の歯車が大きく狂いだした。
そこから天皇賞・秋(G1)6着、ジャパンC(G1)7着と昨秋は3連敗。しかし、歴史的名馬キタサンブラックら歴戦の古馬が相手ということで、まだ情状酌量の余地はあった。