アーモンドアイ「秋国内専念」は本当か? JRA「牝馬三冠」を超える”価値”を取りにいく可能性は……
アーモンドアイ、牝馬クラシック二冠制覇!
20日に行なわれた優駿牝馬(G1)第79回オークス。単勝1.7倍という圧倒的な支持を得たアーモンドアイが、2着に2馬身差をつけての完勝!走破時計2分23秒8はレースレコードに0.2秒差。2着から4着までが同じ上がりタイムで33.9秒の末脚だったのに対し、アーモンドアイはそれを上回る33.2秒のキレ味。しかも先行してからの最速上がりである。ムチはわずか2、3発程度だったことを考えても、圧勝と言える内容だった。
“アンカツ”の愛称でおなじみ、元G1ジョッキーの安藤勝己氏は「近年の牝馬が強い傾向の中でも、かなりの器やと思うよ」とアーモンドアイを絶賛。終わったあとも馬にかなりの余裕を感じたが、実際にはレース直前のアーモンドアイの状態を気にしたC•ルメール騎手のレースプランも賞賛されるべきだろう。
「ルメール騎手は、意識していつもよりも前の位置どりを取りにいきました。パドックではかなり汗をかいていたし、ゼッケン下から泡が滴り落ちていたほど。輪乗りの時も歓声に驚いてか興奮していました。そんな状態で、スタートして6番手につけました。掛かり気味に走るアーモンドアイを観ていたスタンドのファンは、驚くと同時に不安のざわめきが起こっていましたね」(現場記者)
管理する国枝調教師は「勝ててホッとしている」と語るも、「ルメール騎手が自信を持っているのはわかっていたが、あの位置にはびっくり」と驚いていた。掛かり気味だったアーモンドアイも向正面で折り合い、最後も馬群を捌く必要もなかっただけに、ルメール騎手が選択した「揉まれない位置どり」は結果的に大正解であったということになる。
一週前からC•ルメール騎手は「勝つ、自信が、あります」と述べたように、現3歳世代では抜き出た強さを感じるアーモンドアイ。出走する噂のあった日本ダービーに、本当に出て牡馬と対決しても良い勝負をしていたのではないだろうか。
そんなアーモンドアイの今後の動きが、やはり気になってしまうところ。国枝調教師は今後のプランについて「無事に二冠が獲れたので、何とか秋華賞に行きたい。直行かレースを挟むかは馬の状態を見ながら決めたい」と語っていた。ここまで調教師が具体的なレースプランを口にするとなると、牝馬三冠をめざし秋華賞へ向かうプランが濃厚だ。だが、一部では海外挑戦期待の声もあり期待が膨らむのだが。