日本ダービー(G1)「平成最後の栄誉」はダノンプレミアムではなく……!? 競馬女王桃井はるこが「平成」を振り返る
5月27日に東京競馬場で牡馬クラシック2戦目の日本ダービー(G1)が開催される。今年はザ跖で皐月賞(G1)を回避したため、ここでの復活が期待される怪物ダノンプレミアムを筆頭に豪華なメンバーが顔を揃えることになった。この大一番を笑顔で終えるため、今回も競馬クイーン桃井はるこさんにお越しいただき、G1シーズンを振り返りつつ、ダービーの見解をうかがってみた!
――春のG1シーズンも佳境に差し掛かってきましたね。
桃井はるこ:そうですね。オークス(G1)を勝ったアーモンドアイは、ダービーに出ても勝ち負けするのではないかと思うほど強かった。今後もブエナビスタ、ジェンティルドンナなど歴史に名を残す名牝に匹敵する成績を残してくれそうです。
あとレースを見ると、ルーラーシップ、オルフェーヴル、ロードカナロアなどの産駒の台頭が著しいと思いました。今年はディープインパクト産駒のG1勝利は、NHKマイルCとヴィクトリアマイルの2戦。しかも東京競馬場のマイル戦以外で勝ち星がないんですよね。種牡馬にも世代交代の波が迫ってきている気がしています。だけど、まだまだ老け込むには早いでしょうし、ダービーではディープインパクト産駒に頑張ってもらいたいですね。
――今年はそのディープインパクト産駒のダノンプレミアムが有力視されています。
桃井はるこ:ダノンプレミアムは皐月賞をザ石で回避。弥生賞から日本ダービーという変則ローテになりました。それでも1番人気を集めるでしょうね。それだけファンの期待値は高いはずです。
今年は出走予定メンバーを見ると、例年に比べて前目の競馬を展開する馬が多い気がします。好位につけようとするダノンプレミアムをマークすべく他の馬が動いたがために、自然とハイペースになる可能性もあるでしょう。そうなると後ろから競馬をした馬たちがすべてを持っていくという展開もありえそうです。ダノンプレミアムならそのまま突き抜けそうな実力を秘めている気がしますけど……。
――なるほど。その対抗として人気を集めそうなのは、ハービンジャー産駒のブラストワンピースですね。
桃井はるこ:こちらも毎日杯(G3)からダービーに直行という変則的なローテ。前走の毎日杯では、2番手から最後の直線で抜け出して、後のNHKマイルCで2着に入線するギベオンに2馬身差で完勝。ですが、前々走のゆりかもめ賞では後方からの競馬も見せています。前、後ろ、どちらの競馬でも結果を残している器用な馬ですね。
ハービンジャー産駒は当初大舞台に弱いと言われていたものの、最近は好調。これは、未知の新種牡馬だった時より育成の経験が蓄積されたのでキャラクターがわかってきたというか、調教のコツみたいなものがある程度確立され始めたためではないかと考えます。鞍上は引き続きG1で勝負強い池添騎手。自在性の点で優れているブラストワンピースが、ダービーでどのような戦略を取るのか注目ですね。しかし好位に着けた場合、ハイペースになり、人気薄の追い込み馬が襲いかかる展開になるかも? と私は目論んでいるんですがね……。
――では、前走の皐月賞では残念な結果に終わったワグネリアンはいかがでしょう?