日本ダービー(G1)「平成最後の栄誉」はダノンプレミアムではなく……!? 競馬女王桃井はるこが「平成」を振り返る
桃井はるこ:皐月賞は稍重と発表されていましたが、重馬場にも見えるほどの悪路でした。ワグネリアンの惨敗は馬場に悪戦苦闘した結果だと考えています。ダービー当日は好天だといわれていますので、皐月賞は度外視してもいいのでは?
さらにワグネリアンはブラストワンピースなどとは違い、良くも悪くも後方から末脚を使う競馬しかできないみたいですね。なので狭い中山競馬場ではその真価が発揮できなかったのかもしれません。馬主、厩舎、そしてディープインパクト産駒なので雰囲気がマカヒキに似ていて、皐月賞よりもダービー向きだと思っています。陣営もここを大目標にしている気がしますから、東京競馬場で後方一気を見せてくれることを期待しています。
――ほかにはエポカドーロとステルヴィオも有力視されていますね。
桃井はるこ:エポカドーロは皐月賞を制しましたが、展開に恵まれすぎた感がありますね。鞍上は戸崎圭太騎手だったこともあり、人馬ともに小回りが上手い印象が強く、東京競馬場向きではないと思っているんです。さらに前走がメイチだった気も……。
そしてステルヴィオ。これまでダノンプレミアムと2度対戦しているにもかかわらず、一度も先着したことがありません。ですが、どちらのレースもダノンプレミアムさえいなければ勝ったのではないかと思えるほどいい競馬をしていました。オルフェーヴルとウインバリアシオンの2頭を思い出しちゃいました(笑)。
ですが、今回は距離延長もあるので、ちょっと馬券圏内までは難しいと考えています。やはりマイルでこそ光る馬ではないかと。
――では最後にキタノコマンドールをお願いします。
桃井はるこ:同馬が快勝したすみれSを生で観戦。その時に、もっと直線が長い競馬場のほうが向いている気がしました。今回は先行する馬が多そうなので、後ろから競馬をするキタノコマンドールにもチャンスはあると思います。
前走の皐月賞は今年から5着に入った馬にまでダービーへの優先出走権が与えられることになりました。同馬はちょうど5着。昨年までだったら出られなかったにもかかわらず、今年は大丈夫。やはり、「もっている」気がします。日本ダービーは”最も運がいい馬が勝つ”という古くからの格言もありますからね。巻き返しに期待したいです。
――なるほど。では、上位人気にはならないであろうものの、密かに注目している馬はいますか?