【マーメイドS(G3)展望】連勝目指すキンショーユキヒメ!立ちはだかるのはG1馬が兄妹にいるあの馬達か?
今週末の阪神競馬場でのメインレースは牝馬限定のハンデ重賞であるマーメイドS(G3)が開催される。時期的に実績のある牝馬は宝塚記念(G1)へと向かうことが多く実力が拮抗した馬が集まりやすいこと、ハンデ戦というレースの特性もあり過去の結果を見ると波乱の起きやすいレースとなっている。今年も難解なメンバーが揃い一筋縄ではいかないが、出走予定の注目馬を紹介する。
重賞ウィナーの仲間入りを果たしたキンショーユキヒメ(牝5、栗東・中村厩舎)の走りに注目したい。前走の福島牝馬S(G3)ではスタートで後れを取るも慌てることなく馬群の後方で競馬を進めると、小回りの直線が短い福島コースで外からまとめて差し切って悲願の重賞初制覇となった。逃げたカワキタエンカ、4コーナーから早めに動いたデンコウアンジュがそれぞれ2,3着に入る前残りとなった展開を後方から差し切った内容は高く評価できるだろう。OPクラス入りしてからは重賞挑戦を続けて経験を積むことで着実に力を着けてきた。昨年は惜しくも4着に敗れた舞台でのリベンジにも期待が持てそうだ。不安材料があるとすれば昨年は恵まれた斤量が今年は55㎏と4㎏も増加することだが、前走で見せた力が本物ならば勝ち切ることはできるはずだ。
良血馬のミリッサ(牝4、栗東・石坂厩舎)にとってハンデがもらえるここは重賞制覇のチャンスとなるだろう。2年前のオークス馬シンハライトの半妹でその潜在能力を高く評価する声は多いが、今のところ重賞は未勝利。それでも昨年のチューリップ賞(G3)での4着やローズS(G3)での4着と重賞でも好走歴があるので軽視することはできない。前走の阪神牝馬S(G2)も7着に敗れてはいるものの、G1で活躍する格上の存在を相手にして0.4秒差ならば悲観することはない。マイル戦を中心に使われていたので距離延長を克服できるかがカギとなりそうだが、2走前の初音S(1600万下)では1800m戦を制しているので距離は伸びたほうがいい。4歳世代の力を示せるかにも注目が集まる。
格上挑戦での出走となるが、スワーヴリチャードの全姉であるエマノン(牝5、栗東・平田厩舎)にも期待できそうだ。これまでは好位で競馬を進めても最後の直線で他馬に置いて行かれるレースが多く、今のところ4勝で1600万下クラスと弟のような活躍はできていない。だが、2走の太宰府特別(1000万下)では逃げた馬にアタマ差まで迫る2着になると前走の糺の森特別(1000万下)では逃げ馬をめぐっての追い比べを制しているように、今年に入ってからは本格化の気配を見せている。桁外れの瞬発力というものはなさそうだが、ここ2戦で見せた最後の直線の末脚には逃げた馬を捉え、後ろからくる馬には抜かせないだけのスピードはありそうだ。斤量が50㎏と一気に軽くなる今回は波乱の立役者となりえる存在で、今後の活躍に繋げられるか注目したい。