ディープインパクト「武豊降板」の可能性あった!? 引退レース直前に訪れた大ピンチ「もう1人の天才騎手」が描いた野望
今年の日本ダービー(G1)を産駒のワグネリアンが勝利するなど、今や押しも押されもせぬ、日本競馬史を代表する存在となったディープインパクト。
しかし、そんな「近代競馬の結晶」のほぼ完璧な競走生活の中でも、当然ながらピンチはいくつかあった。1つはキャリア初の敗戦を喫した3歳時の有馬記念(G1)であり、もう1つは禁止薬物イプラトロピウムが検出されたことで失格となった凱旋門賞(仏G1)での敗戦だ。
しかし実はもう1つ、これらに匹敵する大ピンチといえるシーンがあった。引退レースとなった2度目の有馬記念「直前」の出来事だ。
この年、ディープインパクトは凱旋門賞でこそ敗れたが、国内では無敗を貫き、オグリキャップ以来の国民的人気を誇る超スターホースの地位を盤石なものにしていた。そして、そんな競馬史でも極めて偉大な存在も、年末の有馬記念でラストランを迎えようとしていた。
“事件”が起こったのはグランプリのわずか数日前。主戦の武豊騎手が香港で騎乗した際、まさかの審議対象となり、香港競馬から騎乗停止処分が言い渡されたのだ。
これで騒然となったのは日本の競馬界だ。よりによって間近に迫っていた有馬記念が「近代競馬の結晶」とまで言われていたディープインパクトの引退レース。このニュースが日本中の競馬ファンを震撼させたことは想像に難しくないだろう。