宝塚記念が有馬記念になれない理由。有力馬の回避、馬券売上の伸び悩み、盛り上がらないファン投票、そして大人の事情とは
サッカーワールドカップ予選リーグで日本代表がコロンビア相手に劇的な勝利を飾った。香川真司、大迫勇也、本田圭佑などの活躍は日本に大きな勇気をもたらした。次のセネガル戦は25日の月曜日だが、その前日にはJRAで春のグランプリである第59回宝塚記念(G1)が行われる。
宝塚記念は暮れの有馬記念と並ぶファン投票型のグランプリレースだが、その注目度はイマイチで例年盛り上がりに欠けるところがある。JRAとしては有馬記念同様に上半期を締めくくる大一番として定着させ、有馬記念並みの馬券売上を期待している面もあるだろう。しかし現実はなかなかそうもいかない。では何が問題なのか、有馬記念と何が違うのか、じっくりと検証していきたい。
宝塚記念が誕生したのは有馬記念ができてから4年後の1960年。「関西競馬を盛り上げるグランプリレースを」という思いから創設され、有馬記念同様にファン投票で出走馬を選ぶスタイルを取った。過去の優勝馬を見てもディープインパクト、グラスワンダー、ゴールドシップ、オルフェーヴルといった名馬はいるものの、そのメンバーは有馬記念と比較すると少々小粒といえる。
まず目玉のファン投票を見てみると、例えば過去5年の得票数1位馬を有馬記念と比較すると違いは歴然だ。
2013年
宝塚記念: 70,519票(オルフェーヴル)
有馬記念: 81,198票(オルフェーヴル)
2014年
宝塚記念: 51,366票(ゴールドシップ)
有馬記念: 66,796票(ゴールドシップ)
2015年
宝塚記念: 66,123票(ゴールドシップ)
有馬記念:120,981票(ゴールドシップ)
2016年
宝塚記念: 82,121票(キタサンブラック)
有馬記念:137,353票(キタサンブラック)
2017年
宝塚記念:101,621票(キタサンブラック)
有馬記念:124,641票(キタサンブラック)
意外なことに過去5年のファン投票1位馬は宝塚記念も有馬記念も同じ馬。しかしその得票数は圧倒的な差が開いている。次に過去5年の馬券売り上げを比較するとその差は更に歴然となる。