「王者の走り」を見せたキタサンブラックの宝塚記念3着……堂々たる強さで今度こそ「主役」?
26日に開催された宝塚記念(G1)で3着に敗れたキタサンブラック。天皇賞に続くG1連勝とはならなかったが、堂々たる走りを見せた。
好スタートから先頭に躍り出た同馬は、ワンアンドオンリー、トーホウジャッカル、アンビシャスに直後につけられる形で道中を進む。1000m通過は59.1秒と、稍重の発表だった当日の馬場を考えればやや早いペース。これまで絶妙なマイペースに落ち着けての粘り込みが身上だった同馬には苦しい展開で、この時点で「厳しい」と感じた人も多かったのではないか。
しかし、直線に入るとマークしていた3頭はペースか馬場のせいかことごとく脱落。キタサンブラックの脚色は衰えず、後続を突き放す。昨年覇者のラブリーデイが追うが、なかなか差は縮まらない。馬場を味方につけ末脚を発揮したマリアライト、後方から意地の伸びを見せたドゥラメンテには最後の最後で交わされたが、マリアライトとはクビ差、ドゥラメンテとはわずかにハナ差だった。
今年の宝塚記念で「王者の走り」を見せたのはキタサンブラックだった。目標にされる位置でレースを進め、マークした他馬を振り落とし、後方から有利な展開でやってきたライバルを最後まで苦しめた。
「思い通りの競馬ができたし、最後もよく辛抱してくれた。もう少しだったけど……」
武豊騎手の言葉が、そのまま今回のキタサンブラックのレースぶりを象徴している。この馬に足りないものはなく、最後は”ツキ”の差だったともいえるかもしれない。
この春、格段の進化を競馬ファンに示したキタサンブラック。これまで1番人気になったことは一度もないが、秋競馬においては今度こそ「主役」としてレースに臨むこととなるだろう。