JRA名門「後継者」が大苦戦……ハーツクライ手掛けた名伯楽「遺産」引き継ぐも「大改革」失敗、リーディング150位に低迷
「今年の苦戦の一番の理由は、父から引き継いだ有力馬たちが競走馬としてのピークを越えて、能力低下や引退に追われていることだと思うね。簡単に言えば、父から受け継いだ遺産の”賞味期限”がきたということかな。
もう1つは新しい戦力、つまりは橋口慎介厩舎になってから入厩した馬たちが、尽く期待に応えられていないことだね。確かに馬だけでなく、橋口弘次郎厩舎を支えていたスタッフをほぼ丸ごと引き継いだけど、父の頃とは”やり方”が大きく変わってしまって……。スタッフも理解しようと努力はしているようだけど、結果に繋がっていないのが現状かな」(競馬記者)
この記者が話す通り、橋口慎介調教師はデビュー当初『netkeiba.com』の取材に対して「実は、父の厩舎とはやり方をガラッと変えたんです」「本当に全部を変えた」と大改革をアピール。
飼葉や厩舎内のシステム変更、坂路メインだった父のやり方から脱却し、角馬場運動やコース追いを増やして、全体的な運動時間も増えたという。また、各スタッフには自分の馬以外にも目を掛けさせ、厩舎全体を1つのチームとする方針を固めたそうだ。
だが、これで負担が大きく掛かるのは、述べるまでもなく厩舎スタッフであることは想像に難しくない。橋口慎介調教師自身は当所「さすがに戸惑いや反発もあるのかなって覚悟はしてたんですけど、意外とすんなり受け入れてくれた」と発言しているが、「結果」には結びついていないようだ。
実際に橋口慎介調教師はJRA通算34勝を上げているが、その内、橋口弘次郎厩舎から引き継いだ馬で上げたのが26勝。無論、ある程度仕方のない部分はあるが、橋口慎介厩舎に入厩した馬たちが3年間で8勝はあまりにも寂しい数字だ。