JRA「異常気象」で内部崩壊の危機!? 連日猛暑に現場から悲鳴……「命に関わる暑さ」でも変わらない炎天下「15時30分」発走
馬は1度のレースで終わりだが、騎手は1日に何度もレースに騎乗する。厳しい体重制限の下、日頃から減量を行っている騎手にとって夏場は地獄に違いない。
「福島は連日もの凄い暑さでしたね。先週の日曜に移動してきた木幡初也騎手は、土曜まで函館で乗っていたこともあって『ヤバイっすね……倒れる人が出るかも』と現地の暑さに驚きを隠せなかった様子でした。
木幡騎手はまだ若いので『ヤバイっす』で済むかもしれませんが、ベテランには相当キツイみたいです。この日も柴田善臣騎手や横山典弘騎手といった大ベテランの姿がありましたが職業柄、暑さには慣れてるんだけど『今年は異常』という声も聞かれますね。
他の騎手も『テレビで日中は極力出るなって言われてる中で、競馬って……お客さんも危ないよ』『こんな暑いのに開催しちゃダメでしょ』など、猛暑日の開催そのものに疑問を持っている人もいました」(競馬記者)
確かに、競馬のメインレースは日中で最も暑くなることが多い15時半頃と、ほぼ暑さに対する配慮はない。特に今年のような”異常気象”は完全に想定外の範疇と述べても過言ではないだろう。
「強いてあげれば、JRAでは夏場に最終レースを夕方の時間帯に行う薄暮レースが行われますが、そういった取り組みも現場やお客に配慮した暑さ対策ではなく、発端はあくまで売上目的。
夏期は日没時刻が遅くなることに着目し、開催時間を日没直前までスライドさせて、新たな客層を狙うのが目論見です。これは地方競馬で行われているナイター競走も同様です。避暑というイメージは『後から取って付けただけかも』という声もありますね」(同)
とはいえ、例え後付けであったとしても、競馬にとって「猛暑対策」は急務といえるのではないだろうか。例えば騎手がレース中にほんの数秒でも意識を失えば、途端に大事故に繋がる可能性もあるのだ。
ある調教師は「興行的に難しいとは思うけど、夏は少し開催を休むべきだと思う。特に夏の福島とか小倉とかは、暑さそのものが危ないし、騎手も来たがらない。体力、集中力を保つのが難しいし、取り返しのつかない事故が起きてからでは遅いからね」と深刻な表情。