クイーンS(G3)大本命ディアドラの真の実力は……秋華賞制覇、ドバイ好走でも信用は微妙か
29日(日)に札幌競馬場で行われるクイーンS(G3)の枠順が発表され、1番人気が予想されるディアドラ(牝4、栗東・橋田厩舎)は7枠9番に入った。ディアドラが人気に応え、すんなり勝利できるのか検討してみたい。
ディアドラは昨年の秋華賞(G1)を制して3歳牝馬最後の1冠を奪取した。秋華賞優勝までのディアドラの軌跡は、競馬ファンならば思わず笑いたくなってしまう綱渡りだった。
2歳の10月に未勝利を脱出、次走のファンタジーS(G3)でミスエルテの3着とするものの賞金の上積みはできず。その後、500万特別を3戦するがどれも追い込んで届かずの好走止まり。わざわざ中山まで出向いたアネモネS(OP)で2着して、ようやく桜花賞の優先出走権を獲得。
桜花賞(G1)では14番人気ながら6着と奮闘するも、正式な身分はただの1勝馬。5月7日の矢車賞(500万下)を勝ち、なんとか2週間後のオークスに滑り込む。オークスでは桜花賞と同様に15番手あたりから追い込んで4着と健闘。3歳牝馬主力メンバーの仲間入りを果たした。
とはいえ正式な身分は2勝馬。8月の札幌で1000万特別を勝ち、秋華賞に出走できるギリギリの賞金ラインを確保。次走の紫苑S(G3)で重賞初制覇、続く秋華賞でG1優勝というのがディアドラの出世物語で、実にタフな旅だった。
昨年の10月、競馬は雨にたたられた。秋華賞当日も雨で重馬場。ディアドラは7枠14番からの発走で出遅れ。C.ルメール騎手は後方を追走しながら徐々に内に入れていき、4角では中団後方まで押し上げ、直線では外に持ち出して前の馬たちを鮮やかに差し切る。
道悪を苦にしないディアドラのパワーとルメール騎手の見事な手綱さばきがきれいにはまった。言葉は悪いがどさくさ紛れの勝利とも言える。同じレースをもう一度やれば、2着のリスグラシューや3着のモズカッチャンが勝つこともあるはず。