帝王賞(G1)が前年比155%で「売上レコード」記録!地方競馬の雄・大井競馬が大成功している「3つ」の要因
今年の上半期、例年にない大きな盛り上がりを見せた中央競馬。実際に先月26日に行われた宝塚記念(G1)の前年比114.9%という売上は、過去10年で最高を記録している。
他のG1レースも軒並み昨年を大きく上回り、メディアでは早くも「競馬ブームの兆し」などとまことしやかに囁かれているが、それ以上に大きな成果を上げているのが地方競馬だ。その中でも代表格となる大井競馬場は、昨年の年間売上が前年比110%を記録。今年はそれをさらに上回る快進撃を続けている。
その象徴となったのが、先月29日に開催された帝王賞(G1)だった。
今年はコパノリッキー、ホッコータルマエとダート界を代表する「2強」を加え、昨年の東京大賞典で2頭を打ち破ったサウンドトゥルー、4歳最強といわれるノンコノユメ、充実一途を迎えているアスカノロマンと出走メンバーが揃った帝王賞。
春のダート競馬の締めくくりに相応しいハイレベルなレースが予想されたが、それ以上に「ハイレベル」だったのが、叩き出された売上だった。
前年を「155%」も上回る17億1,108万1,700円は、これまでの売上レコードとなる1999年の15億7,686万8,500円を大きく上回る盛況ぶり。これだけの売上規模を誇るレースで、そうそうお目に掛かれる上がり幅ではない。まさに尋常ではない売れ行きだ。
考えられる理由として、まず上がるのは出走メンバーの充実か。
先述したように今年はダートのトップホースが軒並み顔を揃え、レース前から大変な盛り上がりを見せていた。当日のオッズも、上記した5頭が人気を分け合う「5強」のような状態。結果的に武豊騎手騎乗のコパノリッキーがレースを制し、スタンドは大歓声に包まれていた。
「今回の盛況の象徴的なシーンが、帝王賞の発走を告げるファンファーレに、ファンが手拍子で応じたことです。中央競馬のG1では、すっかりお馴染みのシーンですが、地方競馬でこんなことが起こるのは本当に稀。それこそ昔の競馬ブーム以来ではないでしょうか」(競馬記者)
また、JRAのスターホースが出走する地方の交流重賞を中央競馬のインターネット馬券購入システム「IPAT」を利用して馬券購入できるようになったことも、極めて大きな理由の一つだろう。