武豊を「激怒」させた地方騎手が心中を吐露……交流G1完全制覇を阻まれた「疑惑」のJBCレディスクラシック(G1)を振り返る
「中央競馬のファンにとっては、あまり馴染みのない大井所属の真島騎手によるアクシデントであり、被害を受けたのが競馬界を代表する武豊騎手ということで、普段の審議以上に様々な議論を集めました。
武豊騎手もレース直後は、さすがに怒り心頭だったとか……。その後、自らの公式HPで『そもそも降着制度って、今回のケースのような1対1の有利不利を救済するためのものではなかったのでしょうか』とルールに疑問を投げかけており、地方勢にとっては確かに歴史的な1勝でしたが、後味の悪い一戦になってしまいました」(競馬記者)
あれから約10カ月、渦中にいたララベルの主戦・真島騎手が『netkeiba.com』の連載企画『俺たちTCKジョッキーズ』に出演。大きな議論を巻き起こした昨年のJBCレディスクラシックについて心中を吐露している。
真島騎手は、当時を振り返って「自分のせいで後味がちょっと悪くなってしまいました。気持ちが強すぎて、一心不乱というか周りが見えなくなって追っていました。勝ったことは良かったんですが、人に迷惑をかけてしまい、関係者の方には申し訳ない気持ちです」と謝罪。自らに非があることを深く反省しているようだ。
大井を始めとする地方競馬最大の激戦区・南関東で主に騎乗し、今年にも通算2000勝に到達することが濃厚な真島騎手。TCK初の実質的なフリーに転向するなど、今や南関東を代表する騎手の一人である。
しかし、そんな大井の名手にとっても、ララベルは「この馬だけは、本当に言葉に表せない。人生のパートナーとして挙げてもいいくらい」「ララベルに乗っていなかったら、自分はこれだけの勝利数を挙げていなかった」と述べるほど、特別な存在だったようだ。
それは管理する荒山調教師ら陣営も同じだったようで、能力試験の時から「この馬で大きい所を獲りたいですね。後々JRAとやれれば……」と大きな夢を抱いていたという。だからこそ、「それ」が実現するか否かという瀬戸際で「一心不乱というか周りが見えなくなった」ということなのだろう。