JRA高松宮記念連覇の父に続け!小倉2歳Sにシングルアップ登場
夏競馬も今週がラスト開催。最終週の小倉競馬場の名物レースといえば、将来の短距離重賞戦線を担う若駒スプリンターが集う、芝1,200m戦の小倉2歳S(G3)だ。
今週末の小倉2歳Sには、目下2戦2勝無敗で挑むシングルアップ(2歳牡 栗東・寺島良厩舎)が登場する。
デビュー戦では直線登り坂のある阪神競馬場の芝1,400m戦で、5番手から先行して余裕の差し切り勝ち。2戦目はオープン戦のフェニックス賞で、少頭数ではあったが先手をとってそのまま押し切り快勝。過去の小倉2歳Sの勝ちタイムに匹敵する1:08.4という優秀な時計、530kgを超える雄大な馬体からも能力が抜けていそうだ。
同馬は、スプリンターズS2着馬のビービーガルダンやあのオジュウチョウサンを生産した名門の坂東牧場の生まれで、母ラフアップの6番子。その後、一口馬主クラブのシルクホースクラブで1,600万円という安価で募集された。母の産駒には目立った活躍馬はいなかったのだが、キンシャサノキセキを配合したことで2戦2勝のシングルアップが誕生した。
シングルアップの父であるキンシャサノキセキは、豪州とのシャトル種牡馬だったフジキセキの産駒。南半球で日本とは半年遅れの豪州生まれでありながらも12月の新馬戦を勝ち、生涯成績31戦12勝、重賞7勝、G1高松宮記念を連覇した平成の名スプリンター。過去、高松宮記念を連覇した馬はこのキンシャサノキセキ、一頭だけだ。
余談だが、キンシャサノキセキという名前は、1974年のWBA・WBC世界統一ヘビー級タイトルマッチで王者ジョージ・フォアマンと挑戦者モハメド・アリが対戦し、モハメド・アリが劇的な逆転KO勝利したことから後に「キンシャサの奇跡」と呼ばれた試合にあやかって授けられた馬名なのだが、名前負けするどころか、その名に恥じぬ成績を収めた。