JRAの武豊4000勝カウントダウンサイトに「とっくに4200勝は超えているけど……」。ファンや関係者からは冷ややかな声が。
ちなみに先日7152勝の地方競馬通算最多勝記録を更新した的場文男騎手の場合も、JRAで記録した4勝や海外競馬での勝利はカウントされておらず、地方競馬だけの成績である。「残り1勝」と話題になっていた時は、すでに7152勝をとっくにクリアしていたことになるので、今回の武豊カウントダウンと同じパターンである。しかし的場騎手の場合は、地方競馬通算最多勝記録を保持していた佐々木竹見騎手という比較対象がいたので、記録更新の観点からすればそれほど不自然なものではなかった。
しかし今回JRAが実施している武豊騎手の4000勝カウントダウンは、ライバル不在の個人記録であり、JRAとそれ以外の成績を明確に分けて集計している。JRAが地方競馬や海外競馬をないがしろにしているとは思わないが、世界の競馬で確固たる地位を確立するためには、所属場所だけの成績に限定せず、広い視点で騎手や調教師を評価してほしい。特にJRAは海外遠征を積極的に支援しているわけだから、その成績を無視してJRAだけの成績でカウントダウンというのはいただけない。
残り800勝ほどとなった武豊のJRA、地方競馬、海外競馬通算5000勝を達成できるかは厳しいところだが、例えば福永祐一騎手の通算3000勝は決して難しくは無いだろう(現在41歳でJRA2118勝、地方77勝、海外5勝以上)。しかしながら、その福永騎手が海外と地方を加味すれば3000勝をクリアしているにも関わらず、JRAが2999勝で3000勝に足りなかった場合、3000勝としてJRAが盛り上げてくれないのであれば、これほど悔しいことはないだろうし、ファンも納得はいかないはず。
またルメール、デムーロといった外国人騎手らも同様に、JRA以外の成績も加味してほしいところだ。JRA公式サイトでルメールの通算海外成績をみると、わずか1勝となっているのだ。集計方法はJRA所属馬に騎乗した際の成績のみのようだが、彼の騎手人生からすれば腑に落ちないだろうし、これは誰が見ても不可解だろう。