JRA川田将雅「騎乗停止」も”ノーペナルティ”の謎……「前例」武豊が切実に訴える欧州と日本の競馬を取り巻く環境問題
「鞭の使用制限に関しては、動物愛護の観点から年々厳しくなっています。日本で具体的な回数制限が設けられたのは2014年で、当時は処分を受ける騎手が続出。武豊騎手も問題視していました。
何故なら、日本の競馬にはギャンブル色が強い側面があり、騎手には『騎乗馬の全能力を発揮させなければならない』ことが義務付けられているからです。
実際に鞭の使用違反に関しては、段階的に処分が重くなり、最大でも5万円の過怠金。ただ、逆に”油断騎乗”は長期間の騎乗停止処分に繋がるなど、比較にならないほど重大なペナルティの対象となっています」(同)
実際に武豊騎手は自身の公式HPを通じ、鞭の使用制限について「欧米においても、鞭の使用制限についてのジャッジは、上位争いをしているときには緩く、そうでない場合には厳しくという運用が現実のものとなっています。そうであれば、ニッポンの競馬のルールにも合致するものなので、是非この点でも欧米なみにしてほしいと切に願うものです。個人的にも、騎手会長としても」と切実に訴えている。
日本競馬は2007年に「パート1国」と認められてから、IFHA(国際競馬統括機関連盟)から様々な国際基準の協調を求められている。
ICSC(国際セリ名簿基準委員会)の認定を受けていないG1レースを「Jpn1」と表記したり、度々ファンの間でも議論を巻き起こしている降着ルールなどがそれにあたるが、鞭の使用基準も7回の英国を始め、フランスが6回、ドイツが5回と、10回の日本とはまだ大きな開きがある問題だ。