【紫苑S(G3)展望】最後の一冠を目指して!3歳牝馬の真剣勝負の行方は?

 夏競馬が終わりいよいよ今週からは秋競馬に突入。中山競馬場の8日(土)メインレースでは秋競馬最初の重賞として紫苑S(G3)が開催される。以前はOP特別のレースだったが2016年にG3に格上げされると、昨年の優勝馬ディアドラ、一昨年の2着馬ヴィブロスが秋華賞(G1)を制するなどここでの結果が本番に直結。今年も3着馬までに与えられる優先出走権をめぐる熾烈な争いに注目が必要だ。

 ノームコア(牝3、美浦・荻原厩舎)は春のクラシックには出走できなかっただけに優先出走権は是が非でも獲得したいはずだ。新馬戦とアスター賞(500万下)ではあっさりと抜け出すとそのまま押し切り勝ちで2連勝。それぞれハイペースとスローペースという流れの違うレース展開であったが難なく対応してみせた。休養明けのレースとなったフラワーカップ(G3)も早め先頭からの押し切り勝ちを狙ったが、最後の決め手比べで敗れて3着となり、桜花賞(G1)への出走を逃してしまった。オークス(G1)への優先出走権獲得するために挑んだフローラS(G2)では有利とはいえない大外枠から積極的な競馬を展開し、最後の直線でしぶとく粘ったがまたしても3着。今年から優先出走権を与えられるのが2着馬までに変更になったため、春の大舞台への出走は叶わなかった。そんな悔しい経験をしてきているだけに最後の牝馬クラシックである秋華賞(G1)へ陣営の思いは強いだろう。本番を見据える上でも大事なレースだが、ここは最低でも3着以内に入り優先出走権が欲しいところだ。

 春のクラシックでは堅実な走りを見せたマウレア(牝3、美浦・手塚厩舎)は好位に取り付いての前目からの競馬や、中団からの差す競馬ができる器用さを持っている。2歳時の阪神JF(G1)で3着、今年に入ってからも桜花賞(G1)、オークス(G1)でともに5着になるなど、世代の中では早くから頭角を現し常に上位の実績を残してきた。しかし、春のクラシックで上位を独占した3頭には力の差を見せつけられる悔しい結果となっているのも事実。今回は春のクラシックで完敗を喫した上位陣が揃って不在となるだけに、本番へ向けて負けることはできない。また、初めての重賞制覇の絶好のチャンスとなる大事なレースなので、本番はまだ先ではあるが何としても結果が欲しいところだろう。秋の大舞台をいい形で迎えライバル達にリベンジする足掛かりとすることはできるだろうか。

 出走メンバーでは最多の10戦を戦った経験を持つパイオニアバイオ(牝3、美浦・牧厩舎)も有力だろう。勝ち上がるまでに8戦を要しているが2走前のフローラS(G2)ではレースの流れに上手く乗ると、勝ち馬とはタイム差なしの2着に好走している。優先出走権を得て出走することができたオークス(G1)は7着と初めて掲示板を外す結果に終わっているが2400mはこの馬に合わなかったようだ。初勝利をあげている2000mへの距離短縮となる今回は改めて期待したい。母は秋華賞(G1)2着の実績で血統背景的には十分に通用する下地はあり、これからどのような活躍を見せることができるか注目したい。

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