JRAナックビーナス「モレイラ効果」で”サボり癖”解消! スプリンターズS(G1)で狙う「計画通りの暴走」とは

 この夏も驚愕の勝利41.3%を叩き出し、「モレイラ旋風」を巻き起こした元香港No.1騎手。しかし、特筆すべきは3着以内率が62.7%に収まっている点だろう。

 これは現在のリーディング騎手C.ルメールの55.8%を約7%上回っているが、同騎手の勝率は25.4%と41.3%のモレイラ騎手とは約16%という大きな開きがある。無論、これはルメール騎手の勝ち味が遅いのではなく、モレイラ騎手の「勝たせる力」が特に優れているからこその数字だ。

『スポーツ報知』のインタビューに応じた杉浦調教師も「モレイラが乗ったウチの馬でレース後に『本当にバテてるね』と言われた馬がいた。力を出し切るように乗っているんだろう」と、その腕を絶賛。「走り切っている競馬が少ない馬。100%の力を出して、どこまでやれるか。俺も楽しみだよ」と、一癖あるナックビーナスのベストパートナーとして、大きな信頼を寄せている。

「このレースでいいところを見せたい。非常に楽しみにしています」

 そう語ったモレイラ騎手が在籍した香港は、世界でも有数のスプリント王国。この春もファインニードルがチェアマンズスプリントプライズ(G1)で4着に敗れたように、日本のトップスプリンターがことごく跳ね返されている世界トップレベルだ。

 そんな世界有数の短距離王国で、年間最多勝利記録を大きく塗り替えたモレイラ騎手。当然、数多くのスプリント戦で結果を残したからこその大記録であり、そんな”マジックマン”だからこそ「日本最初のG1タイトル」もスプリント戦が相応しいようにも思える。

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