C.ルメール騎手「何故」G1を勝てるのか?元JRA騎手・佐藤哲三氏が語る「日本人騎手のモロさ」と外国人騎手が勝てる理由
一体、何故ルメール騎手は勝てるのか――。詳細はコラムをご覧いただくとして、佐藤氏はルメール騎手が勝てる要因として「展開というものを後付けで捉えているからではないか」と持論を語っている。
率直に述べて、多くの日本人騎手は真面目で勤勉だ。今は多くの情報がレース前に得られる時代であり、騎手たちが描くレース前のイメージ……つまりは「シミュレーション」の精度もどんどん上がっている。
しかし、逆に述べれば、やや「それ」に頼り過ぎている面があるのかもしれない。
もちろんレースの流れを想定することは勝つために重要な要素の1つであり、多くの騎手もそれを良かれと思って日々研鑽を積んでいる。だが、その精度に寄り添うほど、先月の菊花賞や天皇賞・秋のような極端なペースや展開になった際には、逆にモロさを見せるのではないだろうか。
その上で佐藤氏は、ルメール騎手は事前に想定したレース展開よりも、まずは「自分の競馬をする」ことに重きを置いているのではないかと考えているようだ。
ルメール騎手について「重要なのは、自分の馬が自分の思い通りに動かせているかということであって、展開は後からついてくるという考えなのではないか」と語っており、その上で「もちろん展開を考えることは大事ですが、考えてもその通りにならないことの方が多い」と自らの経験を踏まえて、暗にシミュレーションの”弱点”を指摘している。