【デイリー杯2歳S(G2)展望】JRA「大物」アドマイヤマーズの実力は……対抗にも将来性豊かな面々が揃う
暮れの2歳G1あるいは来年の3歳クラシック戦線を目指して、毎週2歳の重賞が続く。10日には京都競馬場でデイリー杯2歳S(G2、芝1600メートル)が開催される。将来性豊かなヒーローまたはヒロインが誕生する可能性はあるのだろうか。レースを検討する。
1番人気確実なのがアドマイヤマーズ(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)。7月の中京2歳S(オープン、芝1600メートル)を勝ち、新馬戦(芝1600メートル)からの2連勝となった。新馬戦は直線でケイデンスコールとの叩き合いを制しハナ差で勝利。中京2歳Sはペースはかなり流れたが、3番手を楽な手応えで追走。直線で追われると一気に先頭、後続に3馬身差をつけ優勝。M.デムーロ騎手はゴール前流していた。
しかし、これだけでアドマイヤマーズの能力の高さは保証されたのだろうか。最近、中京2歳Sの勝ち馬は後の重賞でほとんど活躍できない。今年のメンバーで、その後に1勝を上げた馬もいない。新馬戦で2着に下したケイデンスコールは新潟2歳S(G3、芝1600メートル)を勝った。ただし、札幌のWASJと重なり有力騎手を確保できないため、例年このレースには将来性の高い有力馬は出走してこない。
ならばアドマイヤマーズはこのレースの危険な人気馬なのかというと、能力の違いで順当に勝てる可能性は高い。アドマイヤマーズを打倒できる馬がいるのかどうか探っていこう。
ダノン+中内田+川田の黄金トリオがダノンジャスティス(牡2歳、栗東・中内田充正厩舎)。父キングマンは欧州マイルチャンピオン、母マンビアはカルヴァドス賞(仏G3、芝1400メートル)の勝ち馬。セレクトセールで8800万円で落札された。新馬戦(芝1400メートル)の勝ちタイムは速くなかったが末脚は鋭かった。ここも差し切れば朝日杯FS(G1、芝1600メートル)の有力候補になる。
ジェンティルドンナの全姉ドナウブルーを母に持つのがドナウデルタ(牝2歳、栗東・石坂正厩舎)。前走となる2戦目の未勝利戦(芝1400メートル)は重馬場の中、中団からしぶとい脚で差し切った。道悪で勝ちタイム1分23秒2は悪くないだろう。良馬場ならば血統本来の切れ味とパワーを発揮できるはず。鞍上はJ.モレイラ騎手。