JRAジャパンC池添「ブチ切れ騒動」から6年。歴代最強牝馬アーモンドアイが「疑惑」の決着を経て挑戦する意義
焦点は最後の直線、最内を走っていたジェンティルドンナの岩田康誠騎手に対して、オルフェーヴルの池添謙一騎手は進路を締めに行った。ジェンティルドンナの前にはここまで逃げてペースを作り、脚の上がり掛けたビートブラック。三冠牝馬の進路は一時的に潰えた。
しかし、ここからジェンティルドンナはオルフェーヴルに猛然とタックルを仕掛けて外へ弾き飛ばして進路を確保。締めに行った池添騎手と、その手は食わんと逆に馬体をぶつけに行った岩田騎手。反則スレスレのところでお互いの意地がぶつかり合い、最後は歴史に残る叩き合いとなったが、ハナ差でジェンティルドンナが勝利。馬体をぶつけられて態勢を崩したオルフェーヴルは2着に敗れた。
レース後、審議のランプが点灯。約20分にも及ぶ異例の長い審議の末、到達順位通りに確定。ジェンティルドンナが史上初めて、3歳牝馬でジャパンCを制した。なお、岩田騎手には、競馬開催2日間の騎乗停止処分が下されている。
この結果に納得が行かないのは無論、オルフェーヴルの陣営だ。
騎乗していた池添騎手は「僕が真っすぐ走っているのに大きな動作でぶつけられた。3、4回ぶつけられて態勢を崩した」とコメント。「これでこの判定は納得できない」と怒りを露にし、JRAの決裁に対して公然と抗議した。
また、オルフェーヴルを管理する池江泰寿調教師も「3回はぶつけられている。1回はバランスを崩して宙に浮いた。あれだけはじき飛ばされたら、どんな馬でも失速する」と納得がいかない表情。「(ジェンティルドンナの)内はガラ空きだったし、オルフェと謙一の進路に入る必要はなかったのでは……」と釈然としない胸の内を明かした。
この歴史的な決着は、数多くの競馬ファンや競馬識者の論争を巻き込む騒動に発展。様々なネット上のサイトや書籍などで議論の的となり、大きな波紋を残すレースとなった。