JRA「馬主の執念」ニシノデイジーに「血のドラマあり」クラシックに向けて勝浦正樹騎手も饒舌に
ニシノデイジーの母方の曽祖父にあたるのは、平成10年の皐月賞&菊花賞馬セイウンスカイ。実績はあれども血統的背景が乏しいことから、「西山牧場以外の繁殖牝馬の種付け申し込みはほとんどなかった」という。それにもかかわらず、西山氏は桜花賞&スプリンターズSを制したニシノフラワーとの交配を決めた。この配合は氏によれば「完全なる『逆玉の輿』」だったと振り返っている。
「セイウンスカイの血を残したい一心だったのでしょうね。その逆玉の末に誕生したニシノミライは未勝利で引退。それでも繁殖牝馬にあがり、アグネスタキオンとの間に後のニシノデイジーの母馬となる牝馬ニシノヒナギクを産みました。ですが、こちらも成績が振るわず勝利をすることなく繁殖牝馬にあがっています。
このニシノヒナギクにハービンジャーがつけられて、ニシノデイジーが誕生するのですが、通常ならば2度も未勝利の牝馬を経ている以上、この系譜は途絶えていてもおかしくはなかったはず。オーナーブリーダーである西山氏だからこそ誕生させることができた、まさに執念が産んだ馬だと言えます。こてこての『西山血統』を持つニシノデイジーがどこまでいけるのか楽しみですね」(競馬誌ライター)
クラシックを沸かせたニシノ印の曾祖父母を持つ同馬はどこまで駆け上がることができるのか。名物個人馬主西山氏肝いりの1頭であるニシノデイジーの今後に期待したい。