武豊騎手が「菜七子ルール」に違和感。JRAが来年3月から導入する女性騎手「優遇」にレジェンドからの警鐘

 さらに「一部報道で『菜七子ルール』という表現があることには違和感があります」とした上で「この新規定の考え方を騎手会側から要望したのは藤田菜七子騎手がデビューする前のことで、彼女の人気にあやかったわけではないのです。今後も騎手を目指す女性は増えるでしょうし、そうした流れを世界基準で支える意味であることを強調しておきたい」と、競馬界の中で”摩擦”が起きることに警鐘を鳴らしている。

「武豊騎手の言葉通り、女性騎手が活躍するために何らかのルールを変更しようという動きは、ずっと以前からありました。特に現在競馬評論家として活躍している細江純子さんらがJRA史上初の女性騎手としてデビューした1996年には、細江さんの他にも3名の女性騎手がおり、当初から騎手会の動きはあったそうです。

今回の新ルール採用には、JRAが藤田菜七子騎手の活躍による影響力の大きさを実感したという事実もありますが、これまでデビューした6名の女性騎手が大きく活躍することができずに引退した歴史が考慮された点もありますね」(競馬記者)

 実際に新ルール発表の際、JRAサイドも「藤田菜七子騎手の活躍は、競馬に興味のない女性や若い皆様の注目を集め、興行的にも大きな効果を感じています」としながらも「藤田騎手は騎乗機会に恵まれていますが、これまでデビューした6人の女性騎手はほとんど騎乗機会に恵まれず、早期に引退を余儀なくされました」という事実に触れている。

「それにしても、藤田菜七子騎手の頑張りと活躍ぶりは実に立派です」

 女性騎手に対する新ルール導入で競馬界全体が揺れている中、そうエールを送った武豊騎手。ルール導入後、良くも悪くもこれまで以上に注目される藤田菜七子騎手を、騎手会全体で支える姿勢を示したことは非常に意義のあることと言えるだろう。

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