武豊が「ルメールの特別な2018年」を語る。「不滅の大記録」年間最多212勝”消滅”目前の天才が語ったレジェンドの矜持
「武豊騎手が記録を打ち立てた2005年当時よりもレースの賞金額が上がっていますしG1の数も増えている以上、いつか記録が更新されることは必然。ただ、こんなに早く更新する騎手が現れるとは想像できませんでした。
当時は、まさかルメール騎手やM.デムーロ騎手といった世界レベルの騎手が、JRAの通年免許を取れる時代になるなんて思いませんでしたからね。まさに外国人騎手旋風が吹き荒れる今の競馬界を象徴する出来事ですが、武豊騎手の全盛期を知る競馬ファンからすれば一抹の寂しさはあります」(競馬記者)
もしかすると最も寂しいのは、自らが達成し「前人未到」とまで言われた大記録を次々更新されようとしている武豊騎手本人かもしれない。これまで記録更新の可能性に対して具体的な発言はなかったが、先日自らが連載する『日刊大衆』のコラム内で現在の心境を語っている。
「――破ってほしくない? それはありません」
44億円を超える年間獲得賞金、そして年間最多212勝。競馬界の顔役として、そして「レジェンド」としての象徴といえる大記録更新が目前に迫っている武豊騎手が綴った言葉は、これまで通りあくまで前向きなものだった。
「プロ野球でいえば4割打者にも匹敵するこの数字が、いかにすごい数字で、いかに大変なことか、それが分かるだけに、どれだけ”おめでとう!”と言っても足りません」
詳細は本コラムを読んで頂きたいが、競馬史上ただ2人だけとなる年間200勝を超える偉大さを知っているからこそ、現在のルメール騎手の快進撃をそう称える武豊騎手。記録更新を大歓迎しており、むしろ「もし、いつまでも破られないとすれば、競馬に未来はありません」とまで言い切っている。