【阪神C(G2)展望】JRA「1400m王決定戦」引退レッドファルクスに安定サトノアレスらG1級メンバー集結

 22日(土)に阪神競馬場で開催される阪神C(G2)はスプリンターとマイラーによる真剣勝負。1400mというそれぞれの得意とする中間の距離で争われるレースだ。毎年好メンバーが集まり見ごたえのある戦いとなるが、今年もG1勝利実績がある馬が5頭出走予定。例年以上のハイレベルなレースが期待できそうだ。

 スプリンターとしての実績No.1であるレッドファルクス(牡7、美穂・尾関厩舎)は、引退レースで有終の美を飾れるだろうか。16年と17年のスプリンターズS(G1)を連覇するなど、昨年までは常にスプリント戦線でトップ争いに加わりその中心となる存在だった。しかし、今年に入ると、昨年までの調子とは一変し阪急杯(G3)での3着を最後にその後のレースでは敗退が続いている。年齢的なことを考えるとさすがにピークは過ぎたとの見方もあるが、今年唯一好走した阪神芝1400mの舞台、簡単に見限ることはできない。かつてはダートレースでも結果を残し、パワーも兼ね備えるタイプの馬なので、阪神コースの最後の急坂で先行勢が止まることがあれば、持ち前の末脚が炸裂する可能性も十分。近走は不振が続いているが、引退レースをどのような形で締めくくるのか注目したい。

 出走予定馬の中ではスプリンターズS(G1)を最先着しているラインスピリット(牡7、栗東・松永厩舎)には、初重賞制覇の期待がかかる。スプリンターズS(G1)は16頭中13番人気と評価は低かったが、4番手追走から直線ではさらに一伸びして3着を確保。実績面では格上となる存在が多い中で、見事に下剋上を成し遂げた。ここまで47戦を経験しているベテランだが、今年は重賞で掲示板に食い込むレースを何度も見せており好調だ。さらに前走が初めてのコンビだったが、G1で3着という好結果の要因にもなった武豊騎手が継続騎乗の予定。ここではどのようなレースを見せるか楽しみだ。

 安田記念(G1)以来のレースとなるサトノアレス(牡4、美穂・藤沢厩舎)が、古馬のマイラーとしては最有力だろう。2歳時には3連勝で朝日杯FS(G1)を勝利し、クラシックでの活躍も期待されていた逸材。しかし、昨年は皐月賞(G1)でまさかの大敗を喫すると、春を全休し夏の函館に参戦。復帰戦となった巴賞(OP)では人気に応えて半年ぶりの勝利をあげたが、続く函館記念(G3)は距離が長かったのかその期待に応えることができなかった。その後はマイル路線に狙いを絞り経験を積むと、今年に入ってからは未勝利ながらも東京新聞杯(G3)を2着、京王杯SC(G2)で3着、安田記念(G1)を4着と、重賞戦線でも安定した成績を残している。今回は休養明けで強敵が揃う難しいレースとなりそうだが、阪神競馬場、芝1400mという条件では好走しているので、2つ目の重賞タイトル制覇は十分にあるだろう。

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