【夏季特別企画】史上最強世代・最後の一冠『菊花賞の行方を占う』Vol.6「武豊に『フランスへ行きましょう!』と言わせた超良血馬が帰還!名牝エアグルーヴの末裔はラスト一冠に間に合うのか」


 実際にこの新馬戦は、同じ血筋を持つ従弟のドゥラメンテが圧倒的な強さで春二冠を達成してから、わずか1カ月後のこと。近親ポルトフォイユの圧勝劇に夢が膨らむのも当然のことだろう。

 しかし、ポルトフォイユはその後、屈腱炎を患い長期休養を強いられていた。

 復帰できたのは、もう日本ダービー(G1)もとっくに終わってしまった今月中頃。皮肉にもダービーを勝ったマカヒキが凱旋門賞出走に向けて、国内調整を行っている最中だった。

 常識的に考えて、復帰戦は早くても来月。例えそこで勝ったとしても、近日中にさらにもう1勝を重ねるか、トライアルで出走権を獲らない限り、来る最後の一冠・菊花賞(G1)への出走は難しい。再発の危険性がある屈腱炎で休養していた馬には酷なローテーションだ。

 しかし、今では競走馬に対する医学も進み、屈腱炎は昔で言われるほど「不治の病」ではない。実際にウインバリアシオンやカネヒキリといった名馬も、ほぼ能力を失うことなく屈腱炎からのカムバックを果たしている。

 名牝エアグルーヴの一族にとっての菊花賞は、フォゲッタブルがハナ差の2着で涙を飲み、ドゥラメンテの三冠の夢も骨折によって届かなかった因縁のレース。

 名手・武豊が惚れ込む一族の末裔ポルトフォイユは、最強世代のラスト一冠を争う舞台にその名を連ねられるだろうか……まずは、復帰戦を心待ちにしたい。

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