JRA「支配者」ノーザンファーム「G1・16勝」で完全制覇! 最強牧場の独壇場に待ったをかける社台ファームの「新兵器」とは
それも、ただの16勝ではない。上記一覧の通り、ノーザンファーム以外の生産者が勝利しているのは障害レースやダート、スプリント路線といった、いわば「王道」から外れたカテゴリーである。それらは当然レースの「賞金」に直結しており、ジャパンCや有馬記念の1着・3億円を筆頭に、2億円の日本ダービー、1.5億の春秋の天皇賞、宝塚記念といった高額賞金レースはすべてノーザンファームが勝利している。つまりは16/26という見かけの数字以上に、ノーザンファーム政権の盤石ぶりを物語っているというわけだ。
逆に述べれば、ノーザンファーム以外の生産者は、競馬界の端へ端へと追いやられている状況ということだ。
「ノーザンファームは昨年にあらゆる面で新記録を出しましたが、今年はさらにそれを上回る記録ずくめ。年末のホープフルSをサートゥルナーリアが勝利したことで『JRA・G1の完全制覇』を成し遂げています。
象徴的だったのが、この秋のエリザベス女王杯をリスグラシューが勝って以降です。平地だけで言えば、チャンピオンズC以外のすべてのG1を勝利しており、その一方でG1以外の重賞制覇はクラージュゲリエの京都2歳S(G3)だけ。まさに”美味しいとこ獲り”の王道のような活躍でした」(競馬記者)
その結果が、年間162億1150万1000円という圧倒的な獲得賞金だ。これは2位だった社台ファームの63億4538万8000円の3倍近い数字になる。もっと述べれば、リーディング上位2位から10位までの賞金を合算してもノーザンファームに及ばないのだ。今や競走馬はノーザンファーム産か、それ以外で分類されると述べても過言ではないだろう。
今後もノーザンファームの1強状態が続くことは確実といえるが、他の生産牧場も当然、ただ黙って”独占”を許しているわけにはいかないはずだ。