JRA根岸S(G3)武豊マテラスカイ「課題」は距離よりも……世界を驚かせたレコードホルダーが「超速スピード」を発揮できる条件
もう一度、世界へ――。
27日に東京競馬場で行われる根岸S(G3)はフェブラリーS(G1)の前哨戦として知られているが、ダート1400mのJRAレコードホルダー・マテラスカイ(牡5歳、栗東・森秀行厩舎)のターゲットは2年連続でのドバイゴールデンシャヒーン(G1)挑戦だ。
昨年の同時期、まだ条件馬に過ぎなかったマテラスカイ。しかし、管理する森秀行調教師は同馬の素質を高く評価すると、主戦に世界を知る武豊騎手を迎え、重賞実績ゼロの世界挑戦という異例のチャレンジを敢行。主催者にマテラスカイのレースVTRを提出するなど熱烈なアピールを行い、見事招待を確保すると、本番でも海外の強豪相手に5着健闘。そのスピードを世界に見せつけた。
ちなみにこの着順は、JBCスプリント(G1)などを勝ったマイネルセレクトらと同じ日本競馬史上最高着順。一介の条件馬だった同馬が、一躍注目を集めるようになった瞬間だった。
その後、帰国したマテラスカイは自己条件を楽勝すると、プロキオンS(G3)でJRAレコードを更新する圧勝劇。ダートスプリント界に突如として現れたニュースターへ、多くの競馬ファンが熱い視線を注いだ。
しかし、マテラスカイはそこから思わぬ”伸び悩み”に陥ることとなる。
重賞勝ち馬として迎えた昨秋の東京盃(G2)では、単勝1.5倍の圧倒的な人気に推されながら、最後の直線で失速し4着に敗退。日本で続いていた連勝が4でストップした。その後、目標だったJBCスプリント(G1)では勝ったグレイスフルリープにクビ差の2着を確保したものの、続く昨年末の兵庫ゴールドT(G3)で5着敗戦。単勝1.3倍を裏切る結果となってしまった。