JRA「ダート参戦」ケイアイノーテックは「先輩の轍」踏まない? 血統的には「五分五分」か
この挑戦は英断なのか、はたまたただ無謀なだけなのか。
27日、東京競馬場で開催される根岸S(G3)。フェブラリーS(G1)への優先出走権が与えられるとあって、今年も多くのダート有力馬が出走を予定しているが、ここに昨年のNHKマイルC覇者であるケイアイノーテック(牡4歳、栗東・平田修厩舎)が出走するという。
昨年、芝のマイルで好走を続けていたケイアイノーテックは、ニュージーランドT(G2)で2着に入りNHKマイルの優先出走権を獲得。だが、その大一番でコンビを結成すると発表されていた武豊騎手がまさかの騎乗停止。急遽、藤岡佑介騎手と参戦することとなった。
戦前はアクシデントに見舞われたケイアイノーテックだったが、レースでは順調そのもの。後方2番手から競馬を展開し、最後の直線で外に出されると上がり最速33.7秒の末脚で先頭を猛追。3着までタイム差なしの激戦をギリギリで制し、人馬ともにG1初戴冠を達成した。
今後もこのコンビは活躍を繰り広げると見られていた。だが、秋初戦の毎日王冠(G2)で5着と古馬の壁に跳ね返されると、続くマイルチャンピオンS(G1)では11着と大敗。暮れの阪神C(G2)でも6着と、立て直すことができずにシーズンを終えていた。
「今回のダート挑戦は、頭打ちの状況を打破する意味合いも強いのではないでしょうか。昨秋、ケイアイノーテックはなかなか状態が上がってこず、藤岡佑騎手も『これでは古馬相手は厳しい』とこぼすこともあったそうですからね。
ケイアイノーテックはダートでの活躍馬をあまり輩出していないディープインパクト産駒ですが、母馬はダート重賞で2勝をあげたケイアイガーベラ。半妹もダートを主戦場にしていますし、血統的には面白い挑戦だといえます。これが功を奏する可能性もありますよ」(競馬記者)