JRA東京新聞杯(G3)「筆頭」サトノアレス「真の力」? ここでは「格上」だが
2月3日に開催される東京新聞杯(G3、芝1600メートル)の有力馬の1頭がサトノアレス(牡5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)。メンバー中、唯一のG1馬としての貫禄を発揮できるのだろうか。同馬が勝ったG1レースが2016年の朝日杯FS(G1、芝1600メートル)。出遅れたものの4角12番手から外を鋭く伸びた。
さて、2016年の秋、サトノ軍団に異変が起こった。セガサミーホールディングスを率いる里見治氏(法人馬主名サトミホースカンパニー)は毎年、高額馬をセールで購入、次々と有力馬を送り出してきたが、G1レースは長きにわたって縁がなかった。この年、とうとうサトノ軍団にクラシック最有力候補が登場したのだ。
それがセレクトセールで約2億5000万円 で落札されたサトノダイヤモンド。しかし、1番人気に支持された皐月賞(G1、芝2000メートル)は3着、2番人気だった日本ダービー(G1、2400メートル)が2着。やはりサトノ軍団の馬は……とも思われたが、3歳クラシック最終戦菊花賞(G1、芝3000メートル)を大楽勝。サトノ軍団の1頭が悲願のクラシック初制覇、G1レース初制覇を達成した。
競馬では運の流れは大きい。12月に入ると香港ヴァーズ(G1、芝2400メートル)をサトノクラウンが勝ち、サトノアレスが朝日杯FSを優勝、なんとサトノダイヤモンドは有馬記念(G1、芝2500メートル)でキタサンブラックを撃破してしまう。
サトノアレスは2016年秋、サトノ軍団の馬が大ブレイクしたうちの1頭。つまり”持っている馬”と言える。昨年(4歳時)は東京での3連戦で実力を示した。東京新聞杯2着、京王杯SC(G2、芝1400メートル)3着、安田記念(G1、芝1600メートル)4着。いずれも追い込んで破壊力のある末脚を披露。もう1つ、G1レースを勝っても不思議ではない素質馬だ。
ところが、3歳時には巴賞(オープン、芝1800メートル)を勝っているものの、朝日杯FS以降2つ目の重賞勝ちには手が届いていない。なぜだろうか。昨年の東京での3連戦を見るとよくわかる。アタマに突き抜けるような勢いで伸びてくるのだが、ゴール手前では勝ち馬あるいは競り合っている馬たちと脚色が同じになってしまう。もう一伸びする持続力に欠けるのだ。
2016年秋に大ブレイクしたサトノ軍団のサトノダイヤモンドとサトノクラウンはG1レースを2つ勝った。ならば、もう1頭の”持っている馬”サトノアレスももう一花咲かせたい。そのために必要なのは、やはりゴール手前ではなく、ゴール板まで伸び切る持続力のパワーアップだ。