JRA「忘却の良血馬」トゥザクラウン突如覚醒の圧勝。理由はブリンカー?
期待の良血馬がついに”覚醒”したのか!?
3日に開催された東京競馬場の第12レース4歳上1000万下(芝1400m)で、トゥザクラウン(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)が後続に5馬身差をつける大差勝ちをおさめた。
トゥザクラウンの母は2001年のドバイワールドカップ(G1)で2着に入るなど活躍したトゥザヴィクトリー。現役引退後は、有馬記念(G1)で2年連続3着し、重賞5勝をあげたトゥザグローリー、皐月賞、有馬記念でともに2着だったトゥザワールドを輩出するなど、繁殖牝馬としても実績を上げている。
トゥザクラウンはその兄らと同じキングカメハメハ産駒。デビュー前からその才能は高く評価されており、一族の悲願となるクラシック制覇も夢ではないといわれていた。
だが、トゥザクラウンは新馬戦で1番人気に支持されるも9着と惨敗。さらに、ノド鳴りが判明したため長期にわたる戦線離脱を強いられてしまう。手術を終え復帰したのは約9カ月後。復帰戦こそ敗退したものの、その後は距離をマイルに短縮して2連勝。これからの飛躍が期待されたものの、1000万下で勝ち負けを繰り返し、G1どころかOPクラスでの出走さえも叶わず、伸び悩みを見せていた。
「競馬界には毎年のように良血と呼ばれる馬がデビューを飾りますが、かけられた期待に応えられない馬がほとんど。トゥザクラウンも、そんな良血馬の1頭として競走馬生活を終えるものと思われていました。
ところが先日のレースでは2番手追走から、残り300m過ぎに先頭に立つと、後続を突き放して勝利。この日は早い時計が出る馬場だったとはいえ、勝ち時計はレコードに0秒1差の1分19秒6を記録しました。いままでとは打って変わって圧巻の走りを見せたため、秘められた素質が開花したと一部で話題になっています」(競馬誌ライター)