何故「今年50歳」武豊がリーディング首位に立てたのか。143勝ペースで20勝一番乗りの”裏”に見える「合理的戦略」とは
「確かに多くの人が想像していた通り、豊沢氏のファーストチョイスはルメール騎手です。今年のルメール騎手のラインナップを見ても、そこは間違いないと思います。
そうなると武豊騎手は2番手ということになるんですが、仮にそうだとしてもルメール騎手がいない競馬場で騎乗することで”影響”は最小限で済むんですよね。
今年は東でルメール、西で武豊といった具合に、ここまで分かれて騎乗していることが実に多い印象です。今日(9日)の小倉参戦のようにローカルに赴く機会も増えていますし、それが例年以上のハイペースの一因になっていると思いますね」(競馬ライター)
確かに2019年の競馬が開幕して、すでに開催日としては12日が経過しているが、武豊騎手とルメール騎手がそろい踏みしたのは、わずか3日しかない。ルメール騎手が年明けにバカンス休暇を取っていたとはいえ、同じ関西のトップ騎手としてはあまりに少ない。
「主にルメール騎手が関東に遠征していることが大きな理由ですね。昨年216勝を上げたルメール騎手ですが、実は関東で上げた勝ち星の方が多いんですよ。栗東(関西)の所属ですが、美浦(関東)の関係者の信頼も厚く、関東遠征しても馬質が落ちないことが、ルメール騎手がハイペースで勝ちまくる最大の強みですね。
2人がブッキングした3回の内、2回は根岸S(G3)のマテラスカイと東京新聞杯(G3)のジャンダルム。武豊騎手にとっても大事なお手馬の重賞レースがあったために東京へ遠征したんだと思いますよ」(同)
異なる競馬場で騎乗することで、馬質の点でルメール騎手の2番手に甘んじることもなければ、昨年216勝の「最強騎手」との直接対決もなくなる――。
来週のフェブラリーS(G1)など、今後大きなレースが増えると難しくなることが予想されるが、今の武豊騎手の好調の裏に”脱ルメール”がある点は見逃せないだろう。