【京都牝馬S(G3)展望】春の女王の座をめぐる熾烈な争い!?大舞台へ向けての大事な試金石を制するのは?

 16日(土)に京都競馬場で開催される重賞は京都牝馬S(G3)。古馬の牝馬にとって春の最大の目標ともいえるヴィクトリアマイル(G1)に向けて重要なレース。3年前から距離が1400mに変更となったため、高松宮記念(G1)を目指すスプリンターの出走も増えているようだ。目指す場所こそ違うが、各馬にとっては目標の大舞台へ出走するためにも負けられない戦いとなる。

 昨年の覇者であるミスパンテール(牝5、栗東・昆厩舎)が出走してくるようだ。昨秋は府中牝馬S(G2)、エリザベス女王杯(G1)と果敢に中距離路線へと挑んだが、結果を残すことはできなかった。その後は適距離のレースであるターコイズS(G3)に出走したが、トップハンデと秋のレース内容からあまり高い評価を受けることはなかった。それでもレースでは中団でしっかりと脚を溜める自分の形を貫くと、最後の直線では得意の距離でなら地力が違うと言わんばかりに馬群を割って伸びる強い競馬で完勝。今年も昨年と同じターコイズS(G3)勝利からの京都牝馬S(G3)というローテーションでになるわけだが、ここまで重賞4勝と実績面でもリードする存在だけに、連覇の可能性は非常に高そうだ。春の目標は当然ながらヴィクトリアマイル(G1)。昨年は5着と好走していたが、今年はそれ以上の結果を残すことができるだろうか。

 昨年は重賞で一歩のところまで迫っていたワントゥワン(牝6、栗東・藤岡厩舎)が重賞初勝利を目指す。昨年の関屋記念(G3)から京成杯AH(G3)、富士S(G3)と牡馬との混合重賞でも連続で2着に好走してみせた。後方からの追い込みを身上とする競馬のため、展開面がかみ合わないと厳しいところもあるが、その末脚は牡馬顔負け。ハマった時の破壊力はすさまじい。昨年もヴィクトリアマイル(G1)に出走し9着と結果は付いてこなかったが、昨年の夏以降の活躍ぶりから本格化したとみられる。ただ、今回の京都牝馬S(G3)は、同じ距離だった前走の阪神C(G2)で7着と見せ場なく敗れているだけに油断はできない。牝馬限定重賞となれば能力上位は間違いだけに、重賞初制覇から春の大舞台へとつなげて欲しい。

 牝馬限定戦となれば、復活の期待がかかるレーヌミノル(牝5、栗東・本田厩舎)も侮ることはできないだろう。2017年の桜花賞(G1)では、距離不安がささやかれていたにもかかわらず早め先頭から押し切った実績を持つ。桜花賞(G1)以降の成績だけをみると不安定と評価せざるを得ないが、距離や相手関係などの条件面で厳しいレースが続いていた。近走は2桁着順となることも多く「もうピークは過ぎたのでは」との見方もあるが、本来であればスプリンターとしての資質が高いこの馬にとって、牝馬限定戦での1400m戦となれば一変があっても不思議はない。実際に昨年のオーシャンS(G3)、高松宮記念(G1)では着順こそ6着、7着と振るわなかったが、勝ち馬とのタイム差でみればそれぞれ0.1秒、0.3秒差とスプリント戦ならまだまだ通用する可能性を持っている。約2年ぶりとなる復活の勝利をあげて春の飛躍を目指す。

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