アイビスサマーダッシュ(G3)の激走馬は「馬」ではなく「人」で勝負!勝率2%以下の「冴えない男たち」が新潟直線1000mで『激変』する!?
今週末には「夏の風物詩」アイビスサマーダッシュ(G3)が行なわれるが、この難解な新潟千直重賞を紐解くカギは「馬」ではなく「人」にあるのかもしれない。
今年も連覇を狙うベルカントを始めとしたスピード自慢が集まったが、今年は新人の藤田菜七子騎手と同期の木幡巧也騎手が初の重賞に挑むなど、馬だけでなく騎手にも注目が集まっている。
現在19勝を挙げ、新人王レースを大きくリードしている木幡巧也騎手。この勢いのまま、初重賞ゲットといきたいところだが、このレースはJRA唯一の直線1000mの重賞ということもあって「得手」「不得手」の差が大きく表れる傾向にある。
例えば、1番人気が予想されているベルカントは昨年の勝ち馬で、当然ながら直線1000mは大好物。結果は伴わなかったが、今春には直線レースを求めてドバイにも遠征したほどだ。
さらに2番人気が予想されるネロも新潟千直成績は[2.2.0.0]、3番人気になりそうなプリンセスムーンも[3.2.0.0]と完全に「アイビスサマーダッシュを狙い」の馬といえる。
実は現在アイビスサマーダッシュは1番人気が3年連続勝利中であり、新潟千直に向いていることでファンに支持された馬が、そのまま好走している結果といえるだろう。だが、その一方で2番人気が馬券に絡んだのは2009年のアルティマトゥーレ(3着)まで遡らなければならない。つまり、それだけ一筋縄ではいかないレースが続いているということだ。
そういった波乱要素の一端を握っているのが、直線1000mを得意としている「騎手」の存在だ。
中でも、村田一誠騎手の新潟千直の相性の良さは。競馬ファンの間では有名。デビュー20年で重賞勝利はわずか6勝だが、その内1勝が2007年のアイビスサマーダッシュだ。
今年まだ3勝で勝率2.4%、連対率4.1%、複勝率8.1%とまったく冴えない村田騎手。だが、これが新潟千直に替わると通算131戦を戦って勝率14.5%、連対率24.4%、複勝率28.2%とリーディング上位騎手並みの数字が並んでいる。失礼な言い方をすれば、村田騎手の”馬質”からは考えられない驚異的な成績だ。
それを裏付けるように、このアイビスサマーダッシュで村田騎手が騎乗するヤマニンプチガトーも、今年になって一度も馬券に絡んでいない人気薄が確実な馬。
しかし、本来ならここも”スルー”が妥当なはずだが「新潟千直で村田一誠が乗る」というだけでR.ムーアやJ.モレイラといった超一流騎手が乗った時のような、切るに切れない存在感があるのだ。
そんな村田騎手に次ぐ「新潟千直で頼れる男」が西田雄一郎騎手だ。