JRA福永祐一「イン突き」!? フェブラリーS(G1)ユラノト「得意な型」に持ち込めば……
17日に開催されるフェブラリーS(G1、ダート1600メートル)にユラノト(牡5歳、栗東・松田国英厩舎)が出走する。重賞未勝利ながら初めてのG1レースに挑戦する同馬について検討してみよう。
ユラノトのデビューは3歳5月と遅かったが、条件戦で着実に勝利を積み重ね、徐々に力をつけてきた。昨年はマリーンS(オープン、ダート1700メートル)で初のオープン勝ち。レース後、騎乗したC.ルメール騎手は「重賞でも戦える」とコメント。次の武蔵野S(G3、ダート1600メートル)で4着となり、実際に重賞で好走した。今年の始動戦、根岸S(G3、ダート1400メートル)は2着。重賞初連対を果たし、フェブラリーSでいよいよG1の舞台に立つ。
全成績は【6・3・1・5】と安定している。15戦して掲示板を外したのは3歳時の2回だけ。常に先行して直線で抜け出してくる。それは前走の根岸Sでも同じ。マテラスカイの逃げを4番手で追走。直線半ばで最内を突いて先頭に立ったが、その時すでに後ろからコパノキッキングが迫っていた。あっさり交わされてしまうかのように見えたが、しぶとく伸びて3/4馬身(0.1秒)差にこらえた。
松田国英調教師は東スポのYouTube動画で、フェブラリーSに参戦するにあたっての心境を語っている。ユラノトのデビューが遅れたのは前脚の完成が遅かったため。血統的には芝でも走れるキングカメハメハ産駒だが、脚に負担の少ないダート戦でゆっくり完成させようと判断したそうだ。
根岸Sから中2週、間隔の詰まったローテーションでフェブラリーSに臨む。マツクニ師は、最近の競馬はレースが終れば放牧に出すパターンが増えているが、今回は根岸Sを叩いた効果を発揮させたいという旨を強調していた。ノーザンファームの外厩システムに反発するような言葉だが、叩いて叩いて大レースを勝った馬は数知れない。それも有効なローテーションの1つだ。
ユラノトの母はコイウタ。ユラノトという馬名は『百人一首』の恋歌「由良の門(ゆらのと)を 渡る舟人 揖(かぢ)を絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな(舵を失った舟のように行方のわからぬ恋だ)」から取られている。コイウタは3歳時にクイーンC(G3)、4歳時にヴィクトリアM(G1)で府中のマイル戦を優勝した名牝。息子のユラノトは府中のダートマイル戦で結果を出したい。