JRA「中山マイスター」ウインブライトの「本質」中山記念(G2)でG1馬なで斬り?
24日に開催される中山記念(G2、芝1800メートル)に中山巧者として知られるウインブライト(牡5歳、美浦・畠山吉宏厩舎)が出走する。G1馬5頭を相手に勝つ可能性があるのか、探ってみよう。
ウインブライトは今年の中山金杯(G3、芝2000メートル)で重賞4勝目を上げた。タニノフランケルが逃げ、向正面半ばからステイフーリッシュがまくっていき、これにタイムフライヤーもついて行く。ウインブライトはワンテンポ遅らせてタイムフライヤーの後ろを追走。外を伸びて2着のステイフーリッシュに半馬身差をつけて優勝。ウインブライトの強さが際立った。ましてやトップハンデの58キロだった。
ウインブライトと松岡正海騎手のコンビは中山コースがうまい。重賞初制覇が3歳時のスプリングS(G2、芝1800メートル)。大外を伸びて差し切った。中山での2度目の重賞制覇が昨年の中山記念。マルターズアポジーの大逃げをアエロリットがそれほど離れず追走、後続は大きく離れる展開。ウインブライトは3~4角中間あたりから動き出し、前の2頭をつかまえられたのはこの馬だけだった。
昨年の中山記念ではペルシアンナイト(マイルCS)、アエロリット(NHKマイルC)、ヴィブロス(ドバイターフ)という3頭のG1馬を負かしたが、今年はスワーヴリチャード(大阪杯)、ディアドラ(秋華賞)、ステルヴィオ(マイルCS)、エポカドーロ(皐月賞)、ラッキーライラック(阪神JF)という5頭のG1馬が相手になる。しかし、陣営の目標はウインブライトでG1を勝つこと。今年の中山記念も負けられない。
中山金杯のレース後、畠山吉宏調教師は「G1では何度も壁にはね返されてきたが、前走(マイルCS)にしても悲観する内容じゃなかった(0.4秒差)。まずは段階を踏んで行きたい」と述べ、松岡騎手は「重賞を4つ勝ったので、今年はもう一つ上の位のレース(G1)を勝たせたい」と語った。その根拠になるのが馬の成長。畠山調教師も松岡騎手も「ここにきてまた成長がうかがえる」とパワーアップを実感している
ところで水曜日の本追い切り後、松岡騎手は「状態が良い時に中山で走ることが多いので、中山での結果は良いですが、右でも左でも回りは関係ないと思っています」とコメントしている。ウインブライトの中山実績は【4・2・0・1】(唯一の着外は皐月賞の8着)。そして「状態が良い時に中山で走ることが多い」という言葉を言い換えれば、中山以外での良績が少ないのは状態が良くなかったからだということになる。