【夏季特別企画】史上最強世代・最後の一冠『菊花賞の行方を占う』Vol.7「伝説の出世レース『阿寒湖特別』を5馬身差で圧勝!北の大地で目覚めたステイヤーの血」
ちなみにカフジプリンスは、24日に函館2歳Sを制いて2歳世代最初の重賞ウイナーになったレヴァンテライオンの調教パートナーを務めていた。併せ馬を行なった2頭がしっかりと勝つところが、さすがリーディングをひた走る矢作厩舎である。
矢作調教師は21日に前立腺がんの手術を受けて復帰が待たれる状況だが、まさしく”ボス”を支えるために一致団結した厩舎の力といえるだろう。
カフジプリンスの父は菊花賞2着のウインバリアシオンを始め、天皇賞・春で2着したカレンミロティックやフェイムゲームを輩出しているハーツクライ。母の父がロベルト系のシンボリクリスエスだけに、3000mの距離延長はむしろ歓迎のクチ。逆にここまで12戦2勝だった馬が、2600m戦になったことで覚醒したともいえる「現代版のステイヤー血統」だ。
現在、『史上最強世代』を牽引する「5強」はすべてディープインパクトとキングカメハメハ産駒。どちらも日本を代表する種牡馬で産駒も数多くのG1を制しているが、菊花賞や天皇賞・春を制した産駒はいないだけに、「5強」にとっても3000mという舞台は決してベストではない(マカヒキは凱旋門賞、リオンディーズは天皇賞・秋に出走予定)。
それはつまり「遅れてきた大器」カフジプリンスのつけ入る隙があるということだ。