C.ルメール「後味悪すぎ」武豊抜いて単独リーディング!? 自ら招いた「落馬負傷」北村宏司騎手の馬で「乗り替わり」勝利に……
ルメール騎手にとって、この日最初の騎乗となった中山1R。ノワールムーティエに騎乗していたルメール騎手は、好位をキープしたまま最後の直線へ。ここから勝負所ということでルメール騎手も左ムチでゴーサインを出したのだが、その直後にノワールムーティエが内側へ急斜行。
インを走っていた北村宏司騎手とタマノカイザーが、馬体をぶつけられ転倒するアクシデントがあった。
タマノカイザーが転倒し、投げ出されるように前方へ落馬した北村騎手。ルメール騎手も追う手を止めて後方を振り返ったが、今度は後ろからディーエスマグナムが、倒れているタマノカイザーに躓いて転倒。鞍上の木幡育也騎手も巻き込まれるように落馬してしまった。なおこの結果、ルメール騎手には9日間(開催4日間)の騎乗停止処分が下されている。
「まだ詳しい情報は入っていませんが、2人の容態が心配です……パトロール映像を見た限りでは、木幡騎手は落馬直後に併走していた馬に踏まれそうになっていましたし、北村騎手はちょうどタマノカイザーの下敷きになっているところに、木幡騎手のディーエスマグナムが躓いて転倒する形になったので、より危険な状況が予想されます。いずれにせよ2人の無事を願いたいです」(競馬記者)
その後、木幡騎手は続く2Rで騎乗するなど事なきを得た様子。しかし、状況が心配される北村騎手は、この日の残りの騎乗がすべて乗り替わり。ルメール騎手が勝利に導いたハートトゥハートは、本来なら北村騎手が騎乗する予定だった。
「落馬事故はタマノカイザーがルメール騎手の左ムチに驚いて斜行したように見えますし、いわば不可抗力のようなアクシデント……まだキャリア2戦目の馬なので、難しいところもあると思います。
ただ、例えそうであったとしても、未然に防げたかもしれないルメール騎手が平静でいられるはずがないですし、自分が原因で落馬してしまった北村騎手から乗り替わったハートトゥハートで勝つとうのは、仕事であっても後味は悪いですよ。
ただ、ハートトゥハートの陣営も『それ』をわかってルメール騎手に代打騎乗を依頼しているわけですし、勝ったのはルメール騎手がプロフェッショナルに徹した結果だと思います」(別の記者)
ちなみにハートトゥハートはここまでデビューが遅れてしまったものの、戦前からの評判馬で単勝は1.4倍だった。北村騎手にとっても”確勝”を喫しての一戦だったはずで落馬した身体はもちろん、成績的にも痛いアクシデントだったに違いないはずだ。まずは少しでも無事であることを祈りたい。