JRA藤田菜七子「長期海外遠征」へ激白。「悔し涙」で始まった世界挑戦……長期滞在の「候補地」まで
ルーキーシーズンだった2016年8月。英国のサンダウンパーク競馬場で行われた『国際女性騎手招待競走』に招待された藤田菜七子騎手だったが、騎乗予定馬がレース直前に放馬……。
初の海外騎乗に期待を胸に膨らませて遠征したものの競走除外となり、何もできずにチャンスが潰えた藤田菜七子騎手は「素晴らしい競馬場ですし、ぜひ乗りたかった」と悔し涙を流した。
その後日、主催者側の配慮で改めて招待が実現。無事に”海外デビュー”を果たした藤田菜七子騎手だったが、15頭立ての7着に敗れ「この経験を生かしてJRAでも頑張りたいですし、海外初勝利も目指して頑張ります」と語っている。
翌年には、武豊騎手とともにマカオのタイパ競馬場で行われる『マカオ国際男女混合ジョッキーズチャレンジ』にも参加。残念ながら、海外初勝利はまたもお預けとなったが「とても良い経験になりました」と貴重な経験を積めたようだ。
「ただ、坂井騎手や野中騎手のように長期の海外遠征となると、言葉の壁はもちろんのこと、経験を積んで日本へ帰ってきた際『以前と同じように乗せてもらえるのか』という不安はどうしても付きまといます。藤田菜七子騎手も、その辺りを気にしているようですね。
今はG1初参戦を果たしたばかりですし、先週から女性騎手による恒久減量制度も始まったばかり。JRAとしても今後の女性騎手拡大に向けた試験的な導入のようですし、仮に唯一の対象である菜七子騎手が長期の海外遠征に出るようなら……。
インタビュー内で、菜七子騎手が『やっぱりタイミングを考えないといけない』と語っているのは、そういった事情などもあってのことでしょう」(同)
それでも「いつか」は長期にわたる海外遠征を敢行したいと考えている藤田菜七子騎手。インタビュー内では「女性ジョッキーがたくさん活躍しているオーストラリアも魅力的ですし、フランスにも女性ジョッキーに対する減量特典がありますからね」と、具体的な遠征候補まで挙げている。
今の競馬界では通年騎乗しているC.ルメール騎手やM.デムーロ騎手を始め、短期免許で来日する世界のトップジョッキーが当然のように大活躍している。その姿を目の当たりにしている日本の若手騎手が「世界」に憧れるのは自然な心の動きだろう。
果たして、成長著しい競馬界のヒロインが世界に打って出るのは、いつの日か。実現すればファンとしては寂しい限りになるかもしれないが、さらに一回り成長して帰ってきてくれるに違いない。