JRA阪神大賞典(G2)新マラソン王リッジマンに大チャンス。3000m以上「100%連対」で確実?
17日、優勝馬に天皇賞・春(G1、芝3200メートル)の優先出走権が与えられる阪神大賞典(G2、芝3000メートル)が行われる。上位人気の1頭、リッジマン(牡6歳、栗東・庄野靖志厩舎)について検討しよう。
昨年、暮れの名物レース、ステイヤーズS(G2、芝3600メートル)を優勝したのがリッジマン。アルバートにJRA史上初の同一重賞4連覇という偉業がかかっていたが脚部不安で取り消し。9月札幌の丹頂S(オープン、芝2600メートル)を勝っていたリッジマンが1番人気に支持された。好スタートを決め、鞍上蛯名正義騎手が先行勢の直後につけると3角手前からのロングスパート合戦を制した。直線で先頭に立ったアドマイヤエイカンを差し切り、2馬身半差をつける快勝だった。
同馬を管理する庄野靖志調教師は関係者に抱きついて歓喜。「若い時と比べたら芯が入ってきた。地方から来てG2を勝てるまでになった」と語った。デビューは2歳の春、門別のダート1000メートル戦。父スウェプトオーヴァーボードの産駒はスプリンターズS(G1、芝1200メートル)を連覇したレッドファルクスに代表されるように短距離志向が強い。それゆえの1000メートル戦だったろう。
新馬戦を勝利すると4戦目に札幌のクローバー賞(オープン、芝1500メートル)で中央の芝に挑戦、13番人気ながら2着に激走。続いて札幌2歳S(G3、芝1800メートル)に参戦、7着とまずまず好走した。その後、中央に移籍。短めのレースを中心に使われ結果を出せず、徐々に距離を伸ばされていく。4歳夏、函館の2600メートル戦(500万下)で4着に好走すると、次走の同距離戦で500万下を勝ち上がった。
こうして長距離適性が判明すると明け5歳となった昨年の1月、万葉S(オープン)で初の3000メートル戦にチャレンジ。2着に好走した。距離は長ければ長いほど良かったのだ。続くダイヤモンドS(G3、芝3400メートル)ではアルバートとともにマラソンレースを牽引してきたフェイムゲームの2着に入り、3000メートル超えのレースでの新たな主役候補として名乗りを上げた。
そしてステイヤーズSで重賞初制覇。中央移籍後約3年、適性を模索されながらレースを使われ、ついに長距離チャンピオンズの座に輝いた。デビュー前から素質や血統で期待されていた馬ではなかっただけに庄野調教師の喜びはひとしおだったはず。勝負どころのレースでいつも騎乗してきた蛯名騎手も「馬が良くなって来ました。かなり力をつけて落ち着いてきました。厩舎の頑張りがこれにつながったかなと思います」と馬の成長と厩舎力を称えた。