JRAスプリングS(G2)「オルフェーヴルの希望」タガノディアマンテが魅せる「しぶとさ」
17日に開催されるスプリングS(G2、芝1800メートル)は新興勢力も多く出走、混戦となるかもしれない。伏兵の1頭タガノディアマンテ(牡3歳、栗東・鮫島一歩厩舎)について検討してみよう。
タガノディアマンテは前走のきさらぎ賞(G3、芝1800メートル)で2着だったとはいえ、スプリングSでそれほど人気にならないかもしれない。目のさめるような強い勝ち方をしていないからだ。この時期の3歳戦では、たとえば500万特別で強烈な勝ち方をした馬が地味な重賞2着馬よりも人気になることもある。
きさらぎ賞はランスオブプラーナの大逃げを2番手から余裕で差し切ったダノンチェイサーの強さだけが目立った。鞍上岩田康誠騎手のタガノディアマンテは最後方から追い込んだが2馬身届かなかった。ダノンチェイサーの鞍上川田将雅騎手はゴール手前では流していた。やはり地味な印象の重賞2着だった。
全成績は【1・1・1・1】。重賞2着があるとはいえ、いまだ1勝馬。しかし、タガノディアマンテのこれまでの戦歴を振り返ると着実に成長していることが窺える。戦ってきた相手はなかなか骨っぽかった。
デビュー戦はプチ伝説の新馬戦と言ってもいい。1着は2月のつばき賞(500万下、芝1800メートル)を圧勝、16日土曜日の若葉S(オープン、芝2000メートル)で圧倒的1番人気が予想されるワールドプレミア。2着はきさらぎ賞で5着に敗れたものの弥生賞(G2、芝2000メートル)を優勝したメイショウテンゲン。3着は2017年の日本ダービー(G1、芝2400メートル)で1番人気3着だったアドミラブルの弟エスポワール。
タガノディアマンテはこのメンバー相手に0.2秒差の4着。単勝52.8倍の7番人気だったのだから好走と言える。陣営としては期待の素質馬だからこそ、あえて強力メンバーの新馬戦に挑戦したのだろう。
2戦目の未勝利戦を2着馬に1馬身半差をつけて差し切ると、3戦目に選択したのが出世レースとして知られるエリカ賞(500万下、芝2000メートル)。勝ったのはオークス(G1)を大目標とし、16日のフラワーC(G3、芝1800メートル)では1番人気が予想される牝馬エールヴォア。必死にエールヴォアに食らいつこうとしたが、最後にヴィクトリアM(G1、芝1600メートル)を連覇したヴィルシーナの息子ブラヴァスにクビだけ差されて3着。しかし、4着馬には3馬身差をつけた。