宝塚記念(G1)和田竜二騎手「感涙」のG1制覇! 亡き戦友テイエムオペラオーに背中を押され、ミッキーロケットが新王者に!

 ゴールした瞬間、こみ上げるものがあった。

 24日に阪神競馬場で行われた宝塚記念(G1)は、7番人気のミッキーロケットが初のG1制覇。和田竜二騎手はテイエムオペラオーで勝った2001年の天皇賞・春(G1)以来、17年ぶりのG1制覇となった。

 今年5月、和田騎手にとって掛け替えのない戦友テイエムオペラオーが他界。天国の相棒にようやく胸を張って朗報を届けることができた。宝塚記念はライバルだったメイショウドトウに初めて後塵を拝し、テイエムオペラオーのG1連勝記録が6で止まったレース。あれから17年、大きく成長した主戦騎手はその”忘れ物”をついに掴み取った。

「長かったですね……」

 今年3月には師匠の岩元市三調教師が引退。そういった意味でも和田騎手にとっては節目の一年だった。さらに先月には、同期の福永祐一騎手が、悲願の日本ダービー(G1)を制覇。馬上で涙する姿に思うところがあったはずだ。

 稍重のハイペースという難しい条件の中、ミッキーロケットは中団から早めに先頭集団を捉える完璧な競馬。最後は香港の刺客ワーザーが猛然と迫ったが、クビ差だけしのいだ。レース後、和田騎手が接戦を制したことについて「オペラオーが背中を押してくれましたと思います」と声を震わせると、詰めかけたファンからは暖かい歓声が上がった。

 昨年のエリザベス女王杯(G1)では、かつて主戦騎手を務めていたモズカッチャンに最後の最後で差し切られた。あまりにも悔しすぎる通算9度目のG1・2着。たがレース後、勝ったM.デムーロ騎手へ最初に声を掛けたのも和田騎手だった。

 弱肉強食の世界に生きる騎手としては、あまりにも人が良すぎる――。

 G1を勝てない間、和田騎手にはそういった批判もあった。エリザベス女王杯のレース当日の深夜2時過ぎ、和田騎手は自身の公式Twitterで「何かが欠けている。欠けているピースにならなければ。自分を変化させなければ、自分のマインドマップは完成されない」とツイート。欠けているピースを探し求めて、もがき続けていた。

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