「強い逃げ馬」に「逃げの天才・武豊騎手」レパードS(G3)で鬼に金棒状態のケイティブレイブに思わぬ落とし穴?福永祐一騎手が指摘する意外な「盲点」とは
福永騎手によると、逃げ馬は逃げ切った次のレースが非常に難しいという感覚を持っているらしい。そこには明確な数字の裏付けも存在しているようだ。その要因を簡潔に述べると、逃げ馬は注目されればされるだけマークがきつくなってしまい、自分のペースで走ることが難しくなるというものだった。
確かに、冒頭で触れたエイシンヒカリにしてもフランスのイスパーン賞を10馬身差で圧勝しながら「世界No.1」として挑んだプリンスオブウェールズでは、まさかのシンガリ負け。
これは極端な不良馬場のせいだったとしても、では毎日王冠を逃げ切って挑んだ昨年の天皇賞・秋はどうなのか。9着惨敗は、エイシンヒカリのその後の成績を考慮しても「マークがきつくなった」と考えるのが最も妥当だろう。事実、このレースではスタートからクラレントにハナを奪われ、自分の競馬を封じられている。
さらにこの春のキタサンブラックも天皇賞・春を快勝して挑んだ宝塚記念では、後ろから早めに来られて3着に敗れている。これも当然、逃げ切りを警戒されてのことだろう。
唯一、連勝を収めたコパノリッキーにしても、かしわ記念を逃げ切っての帝王賞参戦だったにもかかわらず、5番人気とマークが薄かったことが最大の勝因だったのかもしれない。武豊騎手も「僕があんまり信頼されていないのかも」とレース後は、皮肉たっぷりに笑いを誘っていた。
これらを踏まえると、一見スキがないレパードSのケイティブレイブも「どうか」と思えてくる。
確かにケイティブレイブの前走は、ジャパンダートダービーの2着で「逃げ切った」というわけではない。だが、ここでの注目度、言い換えればライバルたちの”警戒度”としては十分すぎるほどインパクトのある前走だろう。